2014年12月10日水曜日

MVNO(データSIM)で「話し放題」を実現する 【つなぐ】

普通にスマホを使っていると、以下のような2台持ち構成が一番安くなります。(カケホが必要な場合)

1台目:話し放題プランのみ
2台目:データ通信のみ(MVNO含む)

しかし、この構成は、常に2台の端末を持ち歩く必要があります。
これが面倒な人も多いのではないでしょうか。




そこで、2台持ちするケータイを1台に合体させます。(セロテープとかで貼り合わせるわけではありません!)
これで、「MVNO」+「話し放題」を1台のスマホで実現できます。

また、これを利用すれば、DualSIMに対応したスマホを使う必要もなく、1台のみで複数キャリアの同時利用も可能になります。


今回は、簡単に説明できる内容ではなく、かなりの長編になってしまいました。
読んでいて疲れてきたら、一気に読まずにあとでゆっくり読んで頂ければと思います。

なお、これは誰にでも簡単に導入できるシステムではありません。
ですが、誰もに使ってもらいたいと思えるぐらい、素晴らしいシステムでもあります。

このジレンマを解消するために、どうするかを検討中です・・・。

<追記>システム提供フォームを作成しました。(記事最下部)



【 「話し放題+パケット定額」サービス 】

ドコモ、au、ソフトバンクで「カケホーダイ」などの話し放題サービスが開始されました。
しかし、キャリアの「話し放題+パケット定額」プランは高すぎます。 一例として、ドコモの同プランの料金は6,500~8,000円(税抜)です。

これは一部のユーザを除けば、体良く料金が値上げされただけに過ぎません。



【 ケータイの2台持ち 】

そこで、ケータイの2台持ちが推奨されはじめました。
1台を「話し放題」プランのみとし、もう1台をMVNOで「データ通信」のみとします。
そうすることで、「話し放題」+「データ通信」が格安で運用できます。

1台目:話し放題(1,500~2,200円)
2台目:MVNO(900円程度)


これだけでも十分に安くなり、満足できるのですが、常にケータイを2台持ち歩く必要があります。
これでは、数少ないズボンのポケットを2つも消費してしまいます!(私は手ぶら派なので、これは結構重要です。)



【 2台のケータイを合体させる・・・「つなぐ」 】

「ケータイの2台持ちで安くなることはわかる。だけど2台持ち歩くのはイヤだ!」
「1台だけ持ち歩くためにはどうすれば良いか?」
「片方にIP電話を入れて転送させる?いや、それでは同じ番号での発信が出来ない・・・。」

・・・さすがに、この問題を運用で何とかするのは無理な話です。
と言うことで、2台のケータイを合体させて1台にしてしまいます。

これは、決してテープなどでくっつけるわけではなく、ケータイとケータイをネットワーク上で繋げます。
このように、2台のケータイを【つなぐ】ことによって、「話し放題」+「格安MVNO」が1台のスマホで実現できます。


2台のケータイを【つなぐ】ためにはいくつかの方法があります。

1.GP-712、GP-710、GP-708を使う
2.W-SIM機を使う
3.Asteriskサーバで3Gモデムを制御する
4.AsteriskサーバとBT接続する

数十万円かければ「3G VoIP Gateway」と言う選択肢もあるのですが、非現実的なのでここでは触れません。
また、2~4についても、機材の入手性や難易度の観点から除外します。

今回は、比較的容易に導入できる1について説明したいと思います。



【 GP-712、GP-710、GP-708を使う 】

「GP-712」、「GP-710」、「GP-708」はGEMPRO社の「Bluetooth ⇔ VoIP ゲートウェイ」です。
VoIPとは「Voice over Internet Protocol」のことです。
略さずに記載すると、「インターネットを通じて音声を伝送するプロトコル」であることがわかります。

なお、Bluetoothはわかります。
イヤホンやヘッドセットに採用されている、無線規格です。

「Bluetooth ⇔ VoIP ゲートウェイ」とは、ケータイのBluetoothによる通話を、インターネット上の別の機器で利用できるようにする役割を持ちます。
つまり、ケータイ(A)の通話を、別のケータイ(B)で行えるようになります。

これを実情に沿った形に言い変えると、
「家に置きっぱなしにしたケータイの通話及び発着信を、持ち歩いているスマホで行えます。」

便宜上、今後はこれを【つなぐ】と呼びます。

なお、GP-710、GP-712、GP-708の違いは以下のとおりです。

GP-710 : 1台のケータイを収容可能。(【つなぐ】の利用には、別途IP-PBXが必要。)
GP-712 : 2台のケータイを同時に収容可能。(【つなぐ】の利用には、別途IP-PBXが必要。)
GP-708 : 8台のケータイを同時に収容可能。さらに、IP-PBXの機能を併せ持つ。(単体で【つなぐ】利用可。)



【 「つなぐ」の準備をする 】

【つなぐ】に必要な機材はGP-710、GP-712、GP-708のいずれかとIP-PBXです。
なお、GP-708の場合は単体でIP-PBX機能を持っていますので、別途IP-PBXは必要ありません。

自分ひとりなら「GP-710」で十分です。
今後、二人ぐらいは使うかもしれないと思ったら、「GP-712」を選んでおけば間違いありません。
「GP-708」はIP-PBXの構築が不要ですが、その分かなり高価です。

なお、「GP-708」を使った場合は簡単に設定できますので、今回の説明からは除外します。
これからは「GP-712」を例として説明していきます。

<必要な環境>
  • 固定回線(光回線が望ましい)
  • 固定IPアドレス、もしくはDynamicDNS(※)

    <必要な機材>
  • GP-712
  • Linuxが稼働するPC(IP-PBX用)
  • スマホ
  • ケータイ(Bluetoothが使えるもの)

    ※ DynamicDNSを利用する場合は、DiCEなどを用いてリアルタイムにDNSを更新させます。


    ◆ 話し放題プランを契約したケータイを用意する。

    Y!mobileのPHSが最も安価(1500円)で、高音質になります。
    他のキャリアは横並びで2200円です。

    どこのケータイにするかは、現在使っているキャリアや今後を考えて決定します。


    ◆ GP-712を購入する。

    これは日本では発売されておりませんので、海外から購入します。
    私は「eBay」から購入しました。これが今回の中で一番高価です。(約3万円)
    なお、「GP-712」と「GP-712A」とは別物ですのでご注意ください。


    ◆ IP-PBX(Asteriskなど)を用意する。

    私は「CuBox-i2」を使っているのですが、あえてこれを選ぶ必要はないと思います。
    6~7000円程度で買える「Raspberry Pi」がお勧めです。
    これならばIP-PBXの構築も簡単に行えます。

    なお、「Raspberry Pi」はOSをインストールするために、別途MicroSDカードが必要になります。
    本来8GBもあれば十分なのですが、セル寿命の観点から32GBを選びます。

    東芝 microSDHC 32GB
    (これは、私がCuBox-i2で使っているものです。安価な上に高速で、文句なしです。)



    【 「つなぐ」の設定をする 】

    【つなぐ】の設定は次の3部構成から成ります。
    1. GP-712の設定
    2. IP-PBX(Asterisk)の設定
    3. スマホの設定


    1.GP-712の設定

    ◆ 接続編

    これは動画で説明します。
    本来、説明するまでも無いのですが、「GP-712」がどんな代物なのかわからない人も多いと思いますので、ハードウェアの紹介も兼ねます。

    アンテナの接続からBluetoothペアリングまでを紹介します。
    なお、動画中はわかりやすくするためにBluetoothペアリング時にスマホを使用していますが、これはガラケーでも何でも構いません。



    ◆ 設定編

    1つ1つ画面キャプチャで説明すると長くなるため、これも動画で紹介します。



    2.IP-PBX(Asterisk)の設定

    【つなぐ】に必要なAsteriskのコンフィグファイルの記載例です。
    「GP-712」の発着信の考え方が難しく、幾度と無くこれで挫折しそうになりました。

    簡単に説明すると、外部と接続されるのは内線番号「6001」です。
    発信は、VoIP接続された「6001」から、Bluetooth接続先の「6002」に受け渡します。
    受信は、Bluetooth接続された「6002」から、VoIP接続先「6001」に受け渡します。


    以下、「sip.conf」と「extensions.conf」の設定例です。
    わからなければ、必要な部分だけ変更してそのままコピペしてください。(注記は削除してください。)

    「sip.conf」
    [general]
    context=default
    bindaddr=0.0.0.0
    bindport=5062 ← 基本は5060だが、auひかりとセキュリティ上の都合から5062に変更した。
    language=ja
    allowguest=no
    externip=123.456.789.012 ← auひかりなど固定IPの場合に入力。
    externhost=sip.test.jp ← 独自ドメインやDynamicDNSのドメインを入力。
    localnet=192.168.0.0/255.255.255.0

    disallow=all
    allow=ulaw
    allow=alaw
    allow=gsm
    allow=g729
    allow=speex
    allow=opus

    [6001]
    type=friend
    defaultuser=6001
    secret=Kanari_Nagai_Pasu_wo_Ireru ← このパスワードは外部にさらされるため、強固なパスとする。
    canreinvite=yes
    host=dynamic
    context=6001

    [6002]
    type=friend
    defaultuser=6002
    secret=6002
    canreinvite=yes
    host=dynamic
    context=6002

    「extensions.conf」
    [default]

    [6001]
    ; security(kokusai_denwa_no_kinshi)
    exten => _00.,1,Answer()
    exten => _00.,n,Wait(1)
    exten => _00.,n,Hangup()

    exten => _010.,1,Answer()
    exten => _010.,n,Wait(1)
    exten => _010.,n,Hangup()

    ; tuujou
    exten => _0.,1,Set(CALLERID(num)=6001)
    exten => _0.,n,Set(CALLERID(name)=6001)
    exten => _0.,n,Dial(SIP/${EXTEN}@6002,120,T)
    exten => _0.,n,Hangup()

    ; kinkyuu_tuuhou
    exten => _1XX,1,Set(CALLERID(num)=6001)
    exten => _1XX,n,Set(CALLERID(name)=6001)
    exten => _1XX,n,Dial(SIP/${EXTEN}@6002,120,T)
    exten => _1XX,n,Hangup()


    [6002]
    exten => _X.,1,Dial(SIP/6001)
    exten => _X.,n,Hangup()


    3.スマホの設定

    スマホ側での通話は、SIPクライアントを使います。

    通常(3G/LTE)は「CSipSimple」を使います。
    家の中(Wi-Fi)は「Acrobits Softphone」を使います。

    2つのアプリを使い分ける理由はNATを越えるためです。
    今回、GP-712の仕様から、3G/LTE通信時はSTUNサーバが必須となります。
    しかし、ローカル側(Wi-Fi)ではSTUNサーバを経由してしまうと、音声パケットが、LAN側のIP-PBXに到達しません。

    以上の理由により、3G/LTE通信時はSTUNを経由させた「CSipSimple」を使い、Wi-Fi通信時は直通で「Acrobits Softphone」を使います。

    ただし、両アプリが常時通信しているとバッテリー消費が大きくなるため、設定によりこれを回避します。
    もちろん、アプリの切替は自動で行わせます。


    <CSipSimpleの設定>

    SIPアカウントは通常どおり設定します。
    ID:6001
    SIPサーバ:sip.test.jp:5062 ← 固定IPやドメインを入力
    Pass:Kanari_Nagai_Pasu_wo_Ireru


    ※ 以降、「☑」に機種依存文字を使用しているため、見えない環境もあるかもしれません。
    これは、□にレ点の入った「チェック済み」マークを表しています。

    [設定 → ネットワーク]
    ◆トランスポート
     → コネクションキープアライブ
    モバイルUDPキープアライブ:300~3600で環境に応じて数値を入力する。
    これ以外はすべて0(ゼロ)を入力
    (モバイルUDPも0で問題ないかも?未検証。)
    ◆NAT通過
    ☑ ICEを有効
    ☑ Aggressive ICE
    ☑ STUNを有効
      STUNサーバ:stun.l.google.com:19302
    ◆着信通話用
    ☑ 3Gを使用(及びLTE)
      (これ以外のチェックを外す)

    [設定 → メディア]
    ◆オーディオ品質
     エコーや音声検出のチェックは外す
    ◆帯域別のコーデック優先リスト
     チェックを外す
    ◆コーデック
    ☑ speex 8kHz
    ☑ PCMU 8kHz
      (これら以外は外す。)
    ◆ボリューム
     マイク音量:最大


    この設定でCSipSimpleが起動していても、3G接続時以外は通信しません。


    <Acrobits Softphoneの設定>

    SIPアカウントは通常どおり設定します。
    ID:6001
    SIPサーバ:192.168.0.10:5062 ← AsteriskサーバのLAN側のIPを設定する
    Pass:Kanari_Nagai_Pasu_wo_Ireru

    ◆着信
     → 起動を維持し常時着信
    ◆環境設定
     → サウンド
     エコーキャンセル、ノイズ低減のチェックを外す
    ◆WiFi設定
     → Wi-Fiのみ
    ☑ Wi-Fi接続を維持する
    ◆コントロール
     → 電話帳 → Handle outgoing native calls → Ask
     (これで電話帳から発信する際にAcrobitsを選べるようになります。)


    この設定でAcrobits Softphoneが起動していても、Wi-Fi接続時以外は通信しません。


    このように、3G/LTE時は「CSipSimple」を使い、Wi-Fi接続時は「Acrobits Softphone」を使うことを明示的に指定し、【つなぐ】のNAT越えを実現します。

    以上で設定は完了です。



    【 「つなぐ」の発着信テスト 】

    3G/LTE時及びWi-Fi時の発着信をテストします。
    スマホのSIPクライアントから発信すると、GP-712とBluetooth接続しているケータイから発信されます。
    また、ケータイへの着信はGP-712を経由して、スマホが鳴動します。



    【 「つなぐ」の音質検証 】

    【つなぐ】の音質と遅延時間を検証します。
    音質については自分がどう聞こえるかより、自分の声が相手にどのように聞こえているかが重要なため、それを掲載します。

    [使用した端末]
  • WX12K(GP-712とBT接続済)
  • L-01F(つなぐ利用機)
  • SH-07D(遅延計測用)

    [回線種別]
  • Wi-Fi(光回線)
  • LTE(ドコモ)

    [録音環境]
  • 「FUSION IP-Phone SMART」の留守電(128kbps RIFF-WAVE)

    [遅延測定条件]
  • 「L-01Fから音声を発信してから、SH-07Dがそれを受信する」までのタイムラグの測定

    [音声の元データ]


    [検証結果]
    回線種別
    (アプリ)
    コーデック 音質 遅延時間
    Wi-Fi
    (Acrobits Softphone)
    G.711μ

    324ms
    LTE
    (CSipSimple)
    Speex(8kHz)

    387ms


    [検討・考察]

    音声データを聴くと、両アプリの特徴が色濃く出ており、つい聴き比べたくなってしまいます。
    しかし、これら2つの音声データは、条件が全く異なるため、聴き比べには何の意味もありません。
    注目すべくは遅延時間の短さです。

    これだけ低遅延ならば、全く違和感なく会話ができます。
    「違和感なく」と言う表現が、そもそも間違っているぐらいに、これが「普通」です。

    なお、音質についても十分満足できます。
    ドコモ同士の通話品質には敵わないと思いますが、他キャリア程度の品質は保っています。
    特にLTEに関しては、低帯域用コーデック「Speex」で、ここまでの音質であれば文句のつけようがありません。



    【 まとめ 】

    【つなぐ】システム構築にはそれなりに知識を必要とします。

    しかし、私と全く同じシステムで良ければ、本ブログ中にやり方はすべて記載しています。
    参考にして頂ければ、難しいながらもシステム構築まで辿り着けるはずです。

    以下は、わが家の【つなぐ】を使った月額維持費です。

    私:1709円(L-01F)
      <内訳:1500円(Y!mobile・スーパーだれとでも定額)+209円(ドコモ・Xiデータ(7Gまで))>
    妻:2805円(SC-01F)
      <内訳:1500円(Y!mobile・スーパーだれとでも定額)+1305円(BIGLOBE・ライトS(5Gまで))>

    これだけ安価で便利な【つなぐ】ですが、最初に言ったとおり、システム構築は一筋縄では行きません。
    まず、購入のために最低限の英語は必要になります。また、ちょっとしたネットワークの知識も必要です。

    ただし、一度構築してしまえば、MVNOでの話し放題が、スマホ1台だけで実現できます。
    たとえ難しくても、英語が苦手でも、それでも頑張って【つなぐ】を構築する価値は十分にあります。



    【 あとがき 】

    今回はかなり難しかったです。
    GP-712の動きを理解すべく検索しても情報が全然出て来ないのです。
    これが理解できないと、Asteriskも設定できません。

    トライアンドエラーで、徐々に動きがわかってきて、6001⇔6002の発着信の受け渡しに気付いた時には感動モノでした。
    また、NAT越えに四苦八苦し、2つのSIPクライアントの同時使用に行き着いたときは、自分で自分を褒めたくなりましたよ。(〃∇〃)


    わが家は12月からGP-712での【つなぐ】を本格運用し始めました。
    今のところ目立った不具合もなく、順調に稼働中です。
    今後、何か不具合があれば、ここに追記していきたいと思います。



    【 つなぐの提供について 】

    【つなぐ】がどうしても欲しい。
    だけど、英語もネットワークもわからない・・・。
    でも、どうしても使いたい!

    もし、そんな方がいるようであれば、必要機材をすべて揃えて、さらにIP-PBXの設定も済ませた上で、提供できる方法を考えます。
    しかし、かなり手間がかかるので、多少はマージンを頂くことになるとは思います。
    ・・・そもそも、「そんな方がいれば」の話ですが。

    <追記>
    【つなぐ】提供フォーム作成しました。
    ブログ上では情報送信時の暗号化に問題ありなので、外部システム(ネットオウルのもの)を使いました。

    【つなぐ】が欲しい方はこちらからご連絡ください。

    なお、少なからずマージンは頂くので、接続できるようになるまでサポートします。


    <2015.1.4 更新>
    【つなぐ】の設置編として<ガラケー(話し放題)と、スマホ(MVNO)を【つなぐ】>アップしました。
    【つなぐ】で一体何ができるのかを、本記事よりは少しわかりやすく書いたつもりです。


    <2014.12.15 更新>
  • 設定ファイルの整合性が取れていなかったため「extensions.conf」を修正しました。
  • 【つなぐ】提供フォーム作成しました。

    <2014.12.22 更新>
  • 設定ファイルに「抜け」があったため「extensions.conf」を修正しました。
  • 2014年12月3日水曜日

    メール送信だけでBetamaxのコールバック通話をする方法

    BitBadOldMan氏が素晴らしいシステムを開発されました。

    まずは、早期の情報共有のため、頂いたコメントをそのまま転記します。
    後ほど、私(Wert)の言葉で記事を書かせて頂きます。



    ●はじめに
    現在、小生の知る限りではBetamaxのコールバック通話には3通りの方法があります。

    【専用アプリ】
    ・コールバック通話は出来ますが、プロバイダによりアプリにバグが有って使用しない方が無難です。
     また、音質の遅延がかなり有って実用的ではありません。
    ・iPhoneでは唯一MobileVOIPを使用するとコールバック通話は、出来ますが、アンドロイドと同じようにバグあるので、実用的ではありません。
    ・このアプリはVoip Callで直接通話する時に使用する事をお勧めします。
     最近はVoip Callでも、かなり通話品質が良くなっているので、敢えて割高なコールバック通話をする必要はありません。
     割高と云ってもBetamaxのVoip Callより割高と云う意味で、コールバック通話でも他のキャリアのどんな電話よりも安いですよ。

    【Csipsimpeのプラグイン】
    ・これは、wertさんから教わった方式です。
    ・Aコール(自分の番号)を変更して使用しないのならこのアプリでも充分です。
    ・小生は自分の番号を、外出先では携帯番号、自宅では家電話、会社では会社の固定電話と、頻繁に変更するのでこのアプリでは少し使い勝手が悪いです。

    【Betamax Caller Lite】
    ・これはプラグイン方式では無く独立したアンドロイドのアプリとなっています。
     残念ながらiPhoneでは提供されていません。
    ・このアプリはAコール(自分)とBコール(相手)の番号を任意で電話帳から設定出来るので超便利です。
    ・アイデアに寄っては面白いサービスをする事が出来ます。
    ・また、携帯電話が無くても誰にでもSMSを送る事が出来ます。
     ただ、SMSは割高となっていますので、非常時以外は使用しない方が無難です。
    ・最大の欠点は通話が確立するまでは、240秒掛かる事です。
     何でこんなに掛かるのか小生も不思議です。
     余程出来の悪いPGが製造したものと思います。

    【所感】
    ・Aコールまでの受信が一番早いのは専用アプリです。
     ただ、速いだけで相手の電話には、キャリアに関係無く非通知となるので実用的ではありません。
     また、専用アプリを中継しているので通話品質が今一となっています。
    つまり、携帯電話同士の電話とは異なっていると言う事です。(ToT)
    ・CsipsimpeのプラグインとBetamax Caller Liteは、どちらもWebサイトのPhone-TO-Phoneの機能を使用して
     コールバック通話を実現している(推測です)ので、通話品質による差はありません。
    こちらは、ほぼPSTN同士の通話と成っていますので、通話品質はかなり良く成ります。(^o^)
    ・Betamax Caller Liteは、操作方法が便利なのとSMSを送る事が出来るので、小生の一押しのアプリです。
     興味のある方は利用してください。

    【発信番号の表示】
    下記の設定になっている時の発信表示は以下の様になります。
    これはCsipsimpeのプラグインでも同じです。
    ・Aコール:090-XXXX-1111
    ・Bコール:090-XXXX-2222
    ・Webサイトの発信番号の設定:045-XXX-3333
    上記の場合の発信表示は以下の様になります。
    ・Aコール側の着信表示:090-XXXX-2222
     PowerVoipだと必ず非通知なります。(全部確認していないので推測です)
     使用するプロバイダにより異なるみたいです。
    ・Bコール側の着信表示:045-XXX-3333
    となります。(キャリアによっては81の国際表示となります)

    Bコール側にはAコールの番号が表示される分けではでは無く、
    Webサイトの発信番号が表示されます。
    Webサイトの発信番号は5個まで設定出来るので
    Webサイトの発信番号をAコールに切り替える必要がありますが、
    小生は会社の代表番号にして特に切り替えはしていません。
    勿論、ドコモの携帯電話宛は必ず非通知となります。

    ●本題
    前置きが大分長くなりましたが、ここからが本日の本題です。
    今回は、メール指定でBetamaxのコールバック通話を出来るアプリを作成しましたので
    皆様に無償にて一般公開致しますので、興味のある方は是非使用してください。
    アプリの名前はMailBridgeCallと命名しましたが、
    利用者がこの名前を使用する事は無いので覚える必要は無いです。
    MailCallBackにしなかったのは、この電話を、
    コールバック通話と呼ぶのには、いささか違和感が有るからです。
    どちらかと言うと人と人を繋ぐ架け橋と成る電話かなと思っているので、敢えてメールブリッジコール(MailBridgeCall)と命名した次第です。(^o^;)

    【メリット】
    ・メールでコールバック通話を指示するのでスマホが無くても、カラケーだけでも使用出来ます。
    ・Betamaxのコールバック通話のアプリはiphoneでは使えませんが、メールを使用するのでスマホのOSにも機種にも依存しません。
    ・通話するデバイス(電話機)は何でも構いません。ダイアル式の黒電話でも構いません。
    たぶん公衆電話でも使用出来ます。(^o^;)

    ●使用方法
    MailBridgeCallは、12Voip, CheapVoip, PowerVoipの3つのプロバイダでの動作は確認済みですが、多分、他のプロバイダでも動作すると思います。
    以下のメール(どのサービスも本文は5行)を mail.bridge.call001@gmail.com 宛てに
    メールを送るだけです。
    下記の様な所定の形式でメールにてコールバック通話を指示します。

    ------------------------------
    宛先:mail.bridge.call001@gmail.com
    件名:自分の携帯→Aさんの携帯
    本文:
    自分の電話番号(Aコール)
    相手の電話番号(Bコール)
    MyアカウントのログインURL
    アカウント名
    パスワード
    ----------------------------

    ●補足説明
    ・宛先は固定です。
    ・件名は任意です。見て無いので空白でも可。
    ・AコールとBコール電話番号は、任意の電話番号を国内の電話番号形式で市外局番から記載して下さい。
     国際電話形式でも可能です。故に、海外への通話も可能です。(^_^)v
     例)09012345678
       0451234567
       05012345678
    ・Aコールの電話番号は自分の電話番号である
     必要は有りません。
    ・MyアカウントのログインURLは以下を指定してください。
    【PowerVoipの場合】
    https://www.powervoip.com/
    【CheapVoipの場合】
    https://www.cheapvoip.com/
    【12Voipの場合】
    https://www.12voip.com/
    ・スマホならcosmosiaを利用するとコピペが楽なので使い易いですよ。
    ・ガラケーは本文に電話帳の番号を設定出来るので、有る意味ではスマホより便利かも知れませんね。
    ・Batamaxのプロバイダとの契約は、ご自身にて契約してください。(^o^;)
    ・尚、Scydoはコールバック通話に対応していないので、使用は出来ません。(ToT)

    ●MailBridgeCallの動作イメージ
    自前で構築したサーバ上(DTIの仮想サーバを使用)のアプリが上記のメールを受信すると指定されたMyページに自動でログインして、
    所定のコールバックのページに移動し、
    メールで指示された電話番号を2つ設定して
    コールボタンをタップするだけです。(^o^)
    汎用性を持たせる為にBetamax系のプロバイダを
    指定出来る様にしています。

    ●今後の作業
    ・今はメールの受信をシーケンスに処理していますが、マルチスレッド対応に近々改造します。
     つまり、シーケンス処理では無く、並行して同時処理が出来る様にすると云う事です。
    ・本機能をメールでは無く、任意のブラウザ(Web版)からコールバック通話の指示が出来る様にします。
     勿論、Web版では既存の電話帳で指定出来る様に考えています。v(^o^)
    言わば、Batamax Caller LiteのWeb版と成ります。プロの開発者が作るとこう成ります、と言う物を提供したいと考えています。(^_^)v
    一応、ガラケーでも使える様にしたいと考えていますが、既存の電話帳が使えるかは微妙ですね。(^^;)))
    小生思うに端末の機種やOSに依存したアプリはダメと言うのが小生の持論です。(^o^;)
    ましてやバージョンが異なるだけで動作しない何て論外です。ヽ(`Д´)ノプンプン

    ●おまけ
    Betamaxのコールバック通話を使用するならPowerVoipを利用した方が
    圧倒的に格安と成りますよ!(^_^)v
    これの一択だけで大丈夫ですね。(^o^)
    世界一通話料金が安い電話と言っても過言では有りません。\(^-^)/

    料金の簡単な計算式を教えてあげますね。
    携帯電話同士での通話料金の場合は、接続料金が1回4円、通話料金も両方で1分4円となります。
    従って通話時間に1分を足して4円を掛けるだけで簡単に計算出来ます。(^o^;)
    ・3分通話  (3+1)*4=16円
    ・10分通話  (10+1)*4=44円
    Line電話や第三者課金サービス何かよりも
    圧倒的に格安と成ります。\(^-^)/
    従って1回のチャージ(1200円)で5時間程度は通話が可能と成ります。(^o^)

    ●おまけのおまけ
    コールバック通話した場合のCheapVoipとの通話料金の比較です。
    ●3分間固定⇔固定に通話すると
    ①PowerVoip = (0.10円 X 3) X 2 + 3.98円 = 4.58円
    ②CheapVoip = (0.51円 X 3) X 2 + 3.98円 = 7.04円
    ●3分間固定⇔携帯、又は携帯⇔固定に通話すると
    ①PowerVoip = (0.10円 X 3) + (2.04円 X 3) + 3.98円 = 10.40円
    ②CheapVoip = (0.51円 X 3) + (3.57円 X 3) + 3.98円 = 16.22円
    ●3分間携帯⇔携帯に通話すると
    ①PowerVoip = (2.04円 X 3) X 2 + 3.98円 = 16.22円
    ②CheapVoip = (3.57円 X 3) X 2 + 3.98円 = 25.40円

    コールバック通話ではPowerVoipの圧勝となります。
    PowerVoipはVoipコールでも接続料が掛かるので
    コールバック通話として使うのが得策と思われます。
    若干遅延は有りますが通話品質は格段に良くなります。

    ●おわりに
    Betamax Caller LiteではAコールの呼出までは240秒掛かりますが、MailBridgeCallでは40秒程でAコールを呼出ます。
    速度は6倍に成っていますが、もう少し速く出来る余地があります。(^o^;)