この新プランは、カケホーダイだけでも2700円/月かかり、さらに、パケット契約も必須です。
これでは一体いくらかかるのか・・・。
そこで今回は、維持費は無料(月額0円)、さらに携帯電話同士の通話料が「約7円/分」になる、「コールバック通話」を紹介します。
また、IP電話を併用することにより、携帯宛の通話料を4円/分にすることもできます。
【コールバックの利用】
この格安通話法にはコールバックサービスを使います。
Wiki抜粋
コールバックは、回線交換電気通信において、呼び出し側から着信側に電話番号などを通知した後、一旦通信回線を開放し、着信側から発信側を呼び出して通話を継続する通話法である。
はい。意味が分かりません。また、本記事で言うコールバックとは若干ニュアンスが異なります。
私が言うコールバックは、第3者(コールバックサーバ)が必要です。
説明が難しいので、以下のように仮定します。
自分:A
相手:B
コールバックサーバ:V
A→Bに電話をしたい場合、本来であればA→Bの通話料がかかります。
これにコールバックを利用すると、V→A及びV→Bの通話料にすることができます。
コールバックで電話すると、まずはVからAに電話がかかってきます。Aが受話すると、今度はVからBに電話をかけます。Bが受話すると、V側の回線交換により、AとBとを接続します。
BはAの電話番号が通知されるため、それがコールバックによる通話とは気付きません。
これがコールバックです。
【コールバックのメリット】
何のためにこんな、まどろっこしいことをするのか?
それは激的に通話料が安くなるからです。
また、着信のみで発信を実現できるため、維持費も格安にできます。
「なぜ維持費?」と思う人もいるかも知れません。
この理由は、発信が高額な代わりに、維持費が0円という電話サービスが存在するためです。
つまり、「ジャパンSIM」や「プリペイド携帯」でこれを実行すれば、月額基本料金は0円(ジャパンSIMの場合)で、通話料も格安という不思議な事態になります。
さらには「コールバック」最大のメリットとしてIP電話ではないことも挙げられます。
これで、回線品質にかかわらず、安定した通話が可能です。
【コールバック最安値を探す】
「コールバック」を利用するためには、海外のサービス(Betamax系)を契約する必要があります。
このBetamax系サービスは、全世界で実に100種類ほど提供されています。
この全サービスを比較して、日本の携帯電話宛に一番安いところを探しました。
(本当は比較表などを掲載したいのですが、それだけでブログの大半が埋まってしまうので割愛します・・・。)
その結果、携帯電話宛最安値サービスは「CheapVoip」でした。
携帯宛:3.571円/分
固定宛:0.510円/分
なお、固定電話宛無料のサービスは沢山ありました。
有名なところでは「VoipBuster」や「VoipStunt」などです。
【コールバックにかかる料金】
「コールバックサーバ」から携帯宛の2ヶ所を呼び出しますので、コールバックにかかる料金は、通常の2倍かかります。
また、接続料金として、1回約5円かかります。
よって、1分の通話に要する費用は以下のとおりです。
3.571円×2+5円=約12円
これでも十分安いのですが、激安には感じません・・・。
そこで、多めに電話したときを考えます。
→ 10分で約76円、1時間で約434円です。
わかりにくいので、キャリアのケータイとG-Callを比較対象として、一覧にします。
サービス | 通話料 | |||
1分 | 10分 | 30分 | 1時間 | |
CheapVoip | 12 円 | 76 円 | 230 円 | 434 円 |
キャリア | 43 円 | 432 円 | 1296 円 | 2592 円 |
G-Call | 20 円 | 200 円 | 600 円 | 1200 円 |
1時間通話すると、本来2592円かかる通話料が、コールバックを利用すれば434円で済みます。
実に1/6です。
【コールバックの利用方法】
コールバックを利用するためには、通常、専用アプリを使います。しかし、これは非常に使い勝手が悪いです。
(使い勝手が悪いと言うより、日本の電話向けに作られていません。)
そこで、使い慣れた電話帳から、通話相手を直接指定する方法を紹介します。
◆必要なもの
・携帯電話(ジャパンSIMでもOK)
・スマホ(通信が出来れば何でもOK)
携帯電話は通話に使うだけですので、ガラケーでもスマホでも構いません。
もし、ジャパンSIMを使う予定であれば、ソフトバンクかドコモ(SIMロック解除)を用意します。
なお、より低価格を求める場合、スマホにはDTIのSIM「ServersMan」(467円)を選ぶと良いです。
◆準備
まずは、通話料が最安値であった「CheapVoip」を契約します。
契約方法は「VoipBuster」など、他のBetamax系サービスとまったく同じなので、以下を参考にしてください。
<VoipBusterの登録手順 (VoipStuntなども同様)>
◆スマホ側の準備
コールバックを効率的に利用するために、次のアプリをインストールします。
続いて「CSipSimple」と「CSipSimple Betamax plugin」の設定を行います。
◆「CSipSimple」の設定
設定→簡易設定
(これで通常の電話帳からコールバックできるようになります)
(コールバックに使うだけなので)
◆「CSipSimple Betamax plugin」の設定
◆いつもどおり電話をかける
電話をかけると言っても、スマホ側に音声回線はありませんので、実際に通話をするのは携帯電話側です。
電話をかけると、次のような画面が出てきますので「CheapVoip web callback」を選びます。
すると、スマホではなく携帯電話側に着信があります。
これに受話すると、続いて相手方の電話を呼び出しに行きます。
相手が電話に出れば、通信確立(通話状態)です。
【通話品質の検証】
コールバック通話の音質と遅延時間を検証します。
今回の検証も今までと同様に「相手に聞こえる自分の声」を録音し、それと同時に、音声を発信してから受信するまでのタイムラグ(遅延時間)を計測しました。
<音声の元データ>
コールバック通話(携帯⇔携帯) | ||
サービス名 | 音質 | 遅延時間 |
CheapVoip | 845 ms |
さすがPSTN(※)です。音質に関しては文句なしです。
※ PSTN:IP電話ではない普通の電話回線
しかし、遅延を測定してみると・・・
「へ?・・・なにこれ?」
845msです。いままで検証してきた、数多くの電話回線中、ワースト1です。
PSTNなので、電波の安定しないところでも使えます。
しかし、遅延時間は最悪です。これでは、いくら音質が良くても実用に耐えません・・・。
【まとめ・感想】
以下は、「ジャパンSIM」と「DTI」とを組み合わせたプランです。
料金は格安で、さらに、通話品質は最高です!
・・・と締めくくりたかったのですが、現実はそう甘くありませんでした。
検証結果のとおり、音声品質は非常に優秀なのですが、遅延時間に難ありです。
回線が「日本→海外→日本」と迂回しているとは言え、ここまで遅延するとは、まるで予想していませんでした。
ただ、わからないのは、コールバックを導入すべく、数日前に試験したときにはこんな結果ではなかったのです。
正確に値をとったわけではありませんが、「これなら十分実用的だな」と確信した上で、記事を書き始めました。
そして本検証で、この遅延時間です。
さらに、まだ疑問があります。
数日前の検証では、確実に発信者番号通知がされていたにも関わらず、本検証時では「通知不可能」になりました。
一体、どのような条件で通知されるのでしょうか。
本当はもっと検証を続けなければ、「CheapVoip」と「コールバック通話法」本来の価値を見出せないのかも知れません。
しかし、長期戦が予想されるため、まずはここで検証を打ち切ります。
<それでも使ってみたい人>
ガラケーでもスマホでも、SIMの組み合わせは上記のみではありません。プリペイドケータイでも、キャリアの最安値プランでも、さらにはIP電話でも利用は可能です。
また、MVNOの選択もDTIの必要はなく、自分に合うところを選んでください。
なお、IP電話をメインにすると、コールバックの片方の通話料が0.5円/分となります。
よって、IP電話から携帯宛にコールバック法で通話をすると、「4円/分(+5円)」の料金となります。
今回は費用を最優先として、2台持ちでの運用を紹介しました。
ですが、2台持ちの代わりにIIJ「みおふぉん」のような、音声付きMVNOでこれを適用すれば、1台ですべてをまかなうことも出来ます。
なお、コールバック通話法の唯一の弱点としては、発信者番号通知に「81」が付加されることです。
しかし、これも徐々に、弱点とは言えなくなってきました。
スマホのグローバル化が進むにつれ、最近のスマホは「81」が付加されても、正常に電話帳の登録情報を読みとるようになったためです。
・・・と、こちらも最後に締めくくりたかったのですが、番号通知されるときと、されないときとがあります。
どうにも、不確定要素が強すぎる「CheapVoip」と「コールバック」です。
しかし、不確定な部分が多い分、まだまだ可能性もあると言うことになります。
先のとおり、今回は一旦ここで区切りを付けます。
ですが、まだコールバック法を諦めたわけではなく、いつか必ずリベンジしたいと思います。