2014年4月25日金曜日

コールバックを利用した格安通話法(携帯⇔携帯:7円/分)

ドコモが月額料金固定の通話し放題プラン(カケホーダイ)を発表しました。

この新プランは、カケホーダイだけでも2700円/月かかり、さらに、パケット契約も必須です。
これでは一体いくらかかるのか・・・。




そこで今回は、維持費は無料(月額0円)、さらに携帯電話同士の通話料が「約7円/分」になる、「コールバック通話」を紹介します。

また、IP電話を併用することにより、携帯宛の通話料を4円/分にすることもできます。



【コールバックの利用】

この格安通話法にはコールバックサービスを使います。

Wiki抜粋
コールバックは、回線交換電気通信において、呼び出し側から着信側に電話番号などを通知した後、一旦通信回線を開放し、着信側から発信側を呼び出して通話を継続する通話法である。

はい。意味が分かりません。また、本記事で言うコールバックとは若干ニュアンスが異なります。


私が言うコールバックは、第3者(コールバックサーバ)が必要です。
説明が難しいので、以下のように仮定します。

自分:A
相手:B
コールバックサーバ:V

A→Bに電話をしたい場合、本来であればA→Bの通話料がかかります。
これにコールバックを利用すると、V→A及びV→Bの通話料にすることができます。

コールバックで電話すると、まずはVからAに電話がかかってきます。Aが受話すると、今度はVからBに電話をかけます。Bが受話すると、V側の回線交換により、AとBとを接続します。

BはAの電話番号が通知されるため、それがコールバックによる通話とは気付きません。

これがコールバックです。



【コールバックのメリット】

何のためにこんな、まどろっこしいことをするのか?
それは激的に通話料が安くなるからです。

また、着信のみで発信を実現できるため、維持費も格安にできます。
「なぜ維持費?」と思う人もいるかも知れません。
この理由は、発信が高額な代わりに、維持費が0円という電話サービスが存在するためです。

つまり、「ジャパンSIM」や「プリペイド携帯」でこれを実行すれば、月額基本料金は0円(ジャパンSIMの場合)で、通話料も格安という不思議な事態になります。

さらには「コールバック」最大のメリットとしてIP電話ではないことも挙げられます。
これで、回線品質にかかわらず、安定した通話が可能です。



【コールバック最安値を探す】

「コールバック」を利用するためには、海外のサービス(Betamax系)を契約する必要があります。
このBetamax系サービスは、全世界で実に100種類ほど提供されています。
この全サービスを比較して、日本の携帯電話宛に一番安いところを探しました。

(本当は比較表などを掲載したいのですが、それだけでブログの大半が埋まってしまうので割愛します・・・。)

その結果、携帯電話宛最安値サービスは「CheapVoip」でした。
携帯宛:3.571円/分
固定宛:0.510円/分

なお、固定電話宛無料のサービスは沢山ありました。
有名なところでは「VoipBuster」や「VoipStunt」などです。



【コールバックにかかる料金】

「コールバックサーバ」から携帯宛の2ヶ所を呼び出しますので、コールバックにかかる料金は、通常の2倍かかります。
また、接続料金として、1回約5円かかります。

よって、1分の通話に要する費用は以下のとおりです。
3.571円×2+5円=約12円

これでも十分安いのですが、激安には感じません・・・。
そこで、多めに電話したときを考えます。

→ 10分で約76円、1時間で約434円です。

わかりにくいので、キャリアのケータイとG-Callを比較対象として、一覧にします。

サービス 通話料
1分 10分 30分 1時間
CheapVoip 12 円 76 円 230 円 434 円
キャリア 43 円 432 円 1296 円 2592 円
G-Call 20 円 200 円 600 円 1200 円


1時間通話すると、本来2592円かかる通話料が、コールバックを利用すれば434円で済みます。
実に1/6です。


【コールバックの利用方法】

コールバックを利用するためには、通常、専用アプリを使います。しかし、これは非常に使い勝手が悪いです。
(使い勝手が悪いと言うより、日本の電話向けに作られていません。)

そこで、使い慣れた電話帳から、通話相手を直接指定する方法を紹介します。


◆必要なもの

・携帯電話(ジャパンSIMでもOK)
・スマホ(通信が出来れば何でもOK)

携帯電話は通話に使うだけですので、ガラケーでもスマホでも構いません。
もし、ジャパンSIMを使う予定であれば、ソフトバンクかドコモ(SIMロック解除)を用意します。

なお、より低価格を求める場合、スマホにはDTIのSIM「ServersMan」(467円)を選ぶと良いです。


◆準備

まずは、通話料が最安値であった「CheapVoip」を契約します。
契約方法は「VoipBuster」など、他のBetamax系サービスとまったく同じなので、以下を参考にしてください。
VoipBusterの登録手順 (VoipStuntなども同様)


◆スマホ側の準備

コールバックを効率的に利用するために、次のアプリをインストールします。
  • CSipSimple
  • CSipSimple Betamax plugin

    続いて「CSipSimple」と「CSipSimple Betamax plugin」の設定を行います。


    ◆「CSipSimple」の設定

    設定→簡易設定
  • 「Androidと統合」にチェックします。
    (これで通常の電話帳からコールバックできるようになります)
  • 「発信のみ」にチェックします。
    (コールバックに使うだけなので)



    ◆「CSipSimple Betamax plugin」の設定

  • Username:<CheapVoipのID>
  • Password:<CheapVoipのパスワード>
  • Provider:cheapvoip.com
  • From:<自分の携帯番号>
  • Access number:81



    ◆いつもどおり電話をかける

    電話をかけると言っても、スマホ側に音声回線はありませんので、実際に通話をするのは携帯電話側です。
    電話をかけると、次のような画面が出てきますので「CheapVoip web callback」を選びます。



    すると、スマホではなく携帯電話側に着信があります。

    これに受話すると、続いて相手方の電話を呼び出しに行きます。
    相手が電話に出れば、通信確立(通話状態)です。



    【通話品質の検証】

    コールバック通話の音質と遅延時間を検証します。
    今回の検証も今までと同様に「相手に聞こえる自分の声」を録音し、それと同時に、音声を発信してから受信するまでのタイムラグ(遅延時間)を計測しました。


    <音声の元データ>



    コールバック通話(携帯⇔携帯)
    サービス名 音質 遅延時間
    CheapVoip

    845 ms


    さすがPSTN(※)です。音質に関しては文句なしです。

    ※ PSTN:IP電話ではない普通の電話回線


    しかし、遅延を測定してみると・・・
    「へ?・・・なにこれ?」

    845msです。いままで検証してきた、数多くの電話回線中、ワースト1です。

    PSTNなので、電波の安定しないところでも使えます。
    しかし、遅延時間は最悪です。これでは、いくら音質が良くても実用に耐えません・・・。



    【まとめ・感想】

    以下は、「ジャパンSIM」と「DTI」とを組み合わせたプランです。
  • 月額費用:467円
  • 通話料(携帯宛):7円/分(+5円)
  • 通話料(固定宛):0.5円/分(+5円)

    料金は格安で、さらに、通話品質は最高です!
    ・・・と締めくくりたかったのですが、現実はそう甘くありませんでした。

    検証結果のとおり、音声品質は非常に優秀なのですが、遅延時間に難ありです。
    回線が「日本→海外→日本」と迂回しているとは言え、ここまで遅延するとは、まるで予想していませんでした。

    ただ、わからないのは、コールバックを導入すべく、数日前に試験したときにはこんな結果ではなかったのです。
    正確に値をとったわけではありませんが、「これなら十分実用的だな」と確信した上で、記事を書き始めました。

    そして本検証で、この遅延時間です。

    さらに、まだ疑問があります。
    数日前の検証では、確実に発信者番号通知がされていたにも関わらず、本検証時では「通知不可能」になりました。
    一体、どのような条件で通知されるのでしょうか。


    本当はもっと検証を続けなければ、「CheapVoip」と「コールバック通話法」本来の価値を見出せないのかも知れません。
    しかし、長期戦が予想されるため、まずはここで検証を打ち切ります。



    <それでも使ってみたい人>

    ガラケーでもスマホでも、SIMの組み合わせは上記のみではありません。プリペイドケータイでも、キャリアの最安値プランでも、さらにはIP電話でも利用は可能です。
    また、MVNOの選択もDTIの必要はなく、自分に合うところを選んでください。

    なお、IP電話をメインにすると、コールバックの片方の通話料が0.5円/分となります。
    よって、IP電話から携帯宛にコールバック法で通話をすると、「4円/分(+5円)」の料金となります。


    今回は費用を最優先として、2台持ちでの運用を紹介しました。
    ですが、2台持ちの代わりにIIJ「みおふぉん」のような、音声付きMVNOでこれを適用すれば、1台ですべてをまかなうことも出来ます。

    なお、コールバック通話法の唯一の弱点としては、発信者番号通知に「81」が付加されることです。
    しかし、これも徐々に、弱点とは言えなくなってきました。
    スマホのグローバル化が進むにつれ、最近のスマホは「81」が付加されても、正常に電話帳の登録情報を読みとるようになったためです。

    ・・・と、こちらも最後に締めくくりたかったのですが、番号通知されるときと、されないときとがあります。


    どうにも、不確定要素が強すぎる「CheapVoip」と「コールバック」です。
    しかし、不確定な部分が多い分、まだまだ可能性もあると言うことになります。

    先のとおり、今回は一旦ここで区切りを付けます。
    ですが、まだコールバック法を諦めたわけではなく、いつか必ずリベンジしたいと思います。
  • 2014年4月13日日曜日

    スマホをPCの代わりとして利用する

    最近、出張で新幹線の利用が増えてきたため、ノートPCが欲しくなりました。
    しかし、ノートPCはかさばるし、重いし、出張中など特に持ち歩きたくありません。(矛盾)

    そこで携帯性を重視し、7~10インチタブレットも考えました。
    しかし、操作性はPCに比べて大きく劣り、また、中途半端な大きさに、結局は納得ができませんでした。

    ・・・非常にジレンマです。




    そこで、ノートPCとタブレットの悪いところではなく、優れているところを考えました。
  • ノートPC ・・・ キーボードとマウス操作による快適な操作性。
  • タブレット ・・・ キーボードとマウスが無いことによる携帯性。

    おもいきり、相反しています・・・。これでは、どちらか一方に決められるはずがありません。
    ですが、画面の大きさは意外と気にならないことがわかりました。

    それでは、ノートPCでもタブレットでもなく、「いつも持ち歩いているスマホ」にキーボードとマウスをつけたらどうだろう・・・?



    【スマホにキーボードとマウスを接続する】

    そもそも、WEBブラウジング程度であれば、スマホだけでもそれなりに快適です。
    キーボードが欲しくなる時というのは、当然、文章入力時です。

    意識してみるとわかるのですが、文章入力に大きな画面は必要ありません。
    文章入力中の視線は、入力している該当文章部分に集中するため、スマホ程度の画面の大きさ(5インチ程度)があれば十分です。

    つまり、普段持ち歩いているスマホで、スムーズな文章入力ができるのであれば、先ほどのジレンマがなくなります。

    そこで発想の転換です。
    携帯性に優れたキーボードを持ち歩き、必要なときだけそれをスマホに接続して、文章を入力します。
    なお、マウスはなくても良いのですが、有ると無いとでは操作性に随分と差が出るので、マウスもセットで考えます。

    超小型PCの出来上がりです。



    【スマホに適したキーボードを探す】

    小さなキーボードは携帯性には優れるのですが、タイピングしづらくなります。
    これでは本末転倒です。

    そこで、単純に小さいだけのキーボードは避け、キーピッチは大きなものを選びます。
    しかし、それでいて携帯性は損なわれないものを選択します。
    接続方式は当然Bluetoothです。

    すると、選択肢は「折りたたみ式のキーボード」か、「スライド式のキーボード」に絞られます。
    「折りたたみ式」や「スライド式」のキーボードにはいくつか候補があったのですが、その仕様及び先人のレビューにより、以下の2択で決定です。
    (2択と言ってもAndroidとiPhoneとでそれぞれ1機種のため、実質1択です。)


    ■Android用
    リュウド 折りたたみ式キーボード 「RBK-3000BT」 (Bluetooth) Android/Windows対応

    ■iPhone用
    リュウド 折りたたみ式キーボード 「RBK-3200BTi」 (Bluetooth) iPhone/iPad対応



    【スマホに適したマウスを探す】

    マウスについてはかなり個人の趣向が出ると思います。
    以下は最後まで迷った4機種です。

    マウスは人とPCを繋げる、数少ない入力デバイスです。
    結局私は安価な製品(M-BL3BBBK)を選びましたが、モバイルがメインになっているような人は、コストよりも自分に適した製品を選択した方が良いと思います。

    ※ iOSはマウスが使えないため、これはAndroid限定です。


    ◆小型マウス(Bluetooth)


    ELECOM Bluetooth3.0マウス BlueLED 3ボタン コンパクト 収納ポーチ付き ブラック M-BL3BBBK

    SANWA SUPPLY 超小型ブルートゥースレーザーマウス ブラック MA-BTLS21BK

    マイクロソフト ブルートラック ブルートゥース マウス Wedge Touch Mouse 3LR-00008

    LOGICOOL ウルトラスリム タッチマウス ブラック T630BK



    【スマホをTV画面に映す】

    ある意味、本記事で最も言いたいことが、これかも知れません。
    スマホを超小型PCとしてモバイル用途に活用しつつ、自宅や出張先のホテルではデスクトップPCとして利用します。

    最近のホテルには、必ずと言っていいほど、部屋に液晶TVが付いています。

    これにスマホを接続し、モニタの代わりとします。
    入力デバイスは先ほどのキーボードとマウスです。

    これだけで大画面PCとして利用できます。

    なお、TVに繋げる方法は大きく分けて2パターンあります。
    無線で繋げるか、有線で繋げるか、です。

    無線接続の場合は「Chrome Cast」のように、ミラキャストに対応した受信機を使います。
    有線接続は言葉のとおり、スマホとTVとをケーブルで接続します。

    私は有線接続を選びました。
    その理由は以下のとおりです。
  • マウス・キーボードが無線のため、スマホとTVの接続まで無線にする必要がない。
  • 無線接続はその仕様上、画質が劣化する。
  • 無線ではすべてのシーンをTVに映せるわけではない。

    なお、スマホとTVを有線で接続するためには、HDMIケーブルを使用します。これには以下の3種類の規格があります。
    ケーブル購入前に自分のスマホがどの規格に対応しているのかを確認しておく必要があります。
  • SlimPort
  • MHL
  • HDMI

    SlimPort及びMHL対応製品を選ぶ場合は、別途HDMIケーブルが必要になります。
    そのため、HDMIケーブルとセットで販売されているものか、製品自体がHDMIコネクタと一体となっているものを選ぶとより安価になります。

    以下にその一例を掲載します。

    ◆SlimPort対応製品


    LinkS 6 Feet Slimport (MyDP) Micro USB to HDMI Male to Male cable and with 6 Feet USB Charging cable in Black

    SLIMPORT mircoUSB アダプタ +HDMI Adapter for Google Nexus 4 & 5 / Google Nexus 7 (2013) TABLET

    Nexus対応 SlimPort to HDMI 変換アダプタ 【Nexus7(2013動作確認済】 〔添付品 : HDMIケーブル・充電用ケーブル〕



    ◆MHL対応製品


    ELECOM MHL変換ケーブル 1m ブラック MPA-MHLHD10BK

    HORIC MHL-HDMI変換ケーブル シルバー 2m USBマイクロBメス MHL20-172MC

    【KanaaN】 MHL HDTVアダプター | MHL Micro-USB HDMIオス アダプター 2 m; RCP搭載; HDCPサポート;解像度1080p HD


    ◆HDMIケーブル

    これは、多量にあるためアマゾンのおすすめをそのまま掲載します。
  • MicroHDMI⇔HDMIケーブル



    これらのケーブルでスマホをTVに接続すれば、もうそれだけでスマホの画面がTVに映ります。
    細かい設定などは何もいりません。

    また、キーボードとマウスもBluetoothで接続するだけです。
    マウス接続と同時に、画面上にマウスポインタが出現します。(初期設定では、左クリックが「タップ」、右クリックが「戻る」として動作します。)
    キーボードは、ソフトキーを表示させない設定にした方が、使い勝手が良いです。



    【まとめ・感想】

    自宅でこれを試したとき、スマホの画面が映った液晶TVを見つめながら、「もうPCいらないじゃん」と本気で思いました。
    これをPCモニタに出力すれば、さらに鮮明な映像となります。(PC向けの画質)

    スマホのPC化計画は、元々モバイル用途を主として考えていましたが、そういう小さな枠で括れるものではなさそうです。

    Androidであれば、無数のアプリ(OSを含め)が、ほぼすべて無料で提供されています。
    いまや、ワードやエクセルといったビジネス文書もAndroidで作成できます。

    様々な角度から見れば、Windows PCなどの専用機にはもちろん敵いません。
    しかし、WEBブラウジングや動画・音楽鑑賞、文書作成などは、PCと遜色ない性能を発揮してくれます。

    また、利用するデバイスが1つのため、様々な使用環境においても、よりシームレスな運用ができます。

  • 家ではPCモニタに繋げてデスクトップPCとして
  • 外ではそのままスマホとして
  • 出張時はノートPCとして
  • ホテルでは液晶TVに繋げて即席PCとして

    これからは、こんなスタイルも標準になっていくのではないかと思います。