2013年12月29日日曜日

「楽天でんわ」/「G-Call」/「ブラステル」の比較・検証

第三者課金サービスに「楽天でんわ」が参入しました。
そのため、今まであまり注目されていなかった本サービスが、一気に表舞台へ躍り出ました。



そこで、今回はこの3社のサービスを比較・検証します。
また、本サービスが簡単に利用できるような「Prefixer」の設定方法も、あわせて紹介したいと思います。
(Prefixerの設定は別記事で紹介します。)



【第三者課金サービスとは?】

大抵の人は、電話がどのように相手につながって、どうして会話が出来るのかなんて考えません。
こんなこと知る必要もないのですが、これを知ることによってこのサービスの本質が理解できます。


例えばドコモの携帯から通常どおり発信したとします。
この場合、ドコモの電話回線網から発信先の相手番号を見つけ、その相手に接続します。[ドコモの回線網を使用]

自分のケータイ → ドコモ回線網 → 相手先電話


これが「楽天でんわ」などの第三者課金サービスを利用して発信した場合は、次のようになります。

自分のケータイ → ドコモ回線網 →(そのまま通過)→ 楽天でんわ回線網 → 相手先電話

自分の携帯から、まず最初に「楽天でんわ」に接続します。その後「楽天でんわ」が所有する電話回線網から、発信先の相手番号を見つけ、その相手に接続します。[楽天でんわが所有する回線網を使用]


このように、通常ドコモの回線網を使用するはずだったものを、そのままスルーさせて第三者の回線網に引き入れ、そこから発信します。
これが第三者課金サービスの基です。

こうすることによって、携帯キャリア回線を極力使わずに、他所へ発信できるようになります。

つまり、基本使用料だけ携帯キャリアに支払い、通話料は第三者へ支払えば良いと言うことになります。



【第三者課金サービスの利点】

第三者課金サービスの利点は次の2点です。
  • 安い(キャリア通話料の半額以下)
  • 安定した通話品質

    この2つの利点が合わさってこそ意味を成します。

    安いだけで良ければIP電話サービスの方が、より安くなります。
    しかし、(3G通信時の場合)IP電話サービスは回線が安定しません。これは通信の仕様上、避けられません。

    一方、「楽天でんわ」や「G-Call」は通信回線ではなく、電話回線を使っているため、常に安定した回線品質を維持できます。
    (※ 厳密に言えば3Gの電話回線も通信回線です。QoSが適切に働くか否かの違いになります。)

    IP電話のように「音質」や「途切れ」を一切気にすること無く、「普通の電話とまったく同じように使える」これが第三者課金サービスの最大の利点です。



    【第三者課金サービスの比較】

    各社ほとんど同じような料金体系になっています。
    この中で、発信者番号通知に注意点があります。


    サービス名 月額 通話料 プレフィックス
    (先頭付加番号)
    使用回線網
    楽天でんわ 無料 10.5円/30秒 003768 フュージョン・コミュニケーションズ
    G-Call 10円/30秒 0063 ソフトバンクテレコム
    ブラステル 2円/6秒
    (10円/30秒)
    00912020 ZIP Telecom
    携帯電話(ドコモ) 21円/30秒 各キャリア所有回線網



    【発信者番号通知】

    番号通知に関しては、3社とも相手に自分の携帯番号が通知されます。
    しかし、通知のされ方に違いがあります。

    例として、自局番号[090-1234-5678]から相手に発信した場合、通知は以下のようになります。

    サービス名 携帯電話/PHS 固定電話 備考
    NTT以外 NTT
    楽天でんわ
    (090-1234-5678)

    (090-1234-5678)

    (090-1234-5678)
     
    G-Call
    (090-1234-5678)

    (090-1234-5678)
    ×
    (通知不可能)
    ※1
    ブラステル
    (090-1234-5678)
    (81-90-1234-5678)

    (090-1234-5678)
    (81-90-1234-5678)

    (090-1234-5678)
    (81-90-1234-5678)
    ※2

    ※1
    NTT固定電話(ナンバー・ディスプレイ契約)のみ、発信者番号が通知されず、通知不可能(非通知ではない)になります。

    ※2
    [090-1234-5678]が通知される場合と[81-90-1234-5678]が通知される場合とがあります。ランダムです。
    [81-90-1234-5678]の[81]は日本の国番号です。発信先のケータイに自分の番号が登録されていれば、自動的に国番号を判別し相手のケータイには「自分の名前」が表示されます。
    しかし、相手のケータイに自分の番号が登録されていなかったら、そのまま[81-90-1234-5678]と表示され、相手にとってはかなり不審な番号となってしまいます。
    なお、IP電話には「非通知」となりました。



    【専用アプリについて】

    今回、専用アプリは比較対象にしません。
    「楽天でんわ」、「G-Call」、「ブラステル」すべてにおいて、利用には別アプリ「Prefixer」と組み合わせます。

    否定的な意見になってしまいますが、専用アプリは使わない方が良いです。
    専用アプリは電話帳機能を有していて、そこから発信する仕組みになっているのですが、これでは使い慣れた電話帳が利用できなくなってしまいます。
    また、お世辞にも専用アプリ(特に楽天でんわ)は出来が良いとは言えません。

    そこで、プレフィックス付加専用アプリ「Prefixer」を利用します。
    これを使えば、何も意識せず普通に発信すれば「楽天でんわ」、「G-Call」、「ブラステル」が利用できます。

    「Prefixer」の設定方法は後日、別記事で紹介します。

    (1月10日 追記:記事掲載しました。)
    「Prefixer」の紹介 (「楽天でんわ」や「G-Call」を快適に利用する方法)



    【第三者課金サービスの検証】

    果たして、これを検証する必要があるのか疑問だったのですが、「楽天でんわ」の音質がイマイチという情報があったため確認してみました。

    検証はIP電話の音質を検証する時と同様の方法です。
    [音質の検証]・・・スマホから発信して「Fusion IP-Phone SMART」の留守電で録音
    [遅延の検証]・・・スマホから発信→スマホで受信までのタイムラグの測定


    <音声の元データ>


    サービス名 音質 遅延時間
    (ms)
    楽天でんわ

    416
    G-Call

    465
    ブラステル

    360
    携帯電話(ドコモ)

    239



    【検討・考察】

    音質に関しては、ブラステルが他と比べて少しだけ「こもった感じ」がします。(ほぼ気のせいレベルです)
    それ以外はケータイを含め、音質に差はありません。

    なお、他所で楽天でんわに関して「通話が一瞬途切れる」と言うレビューを見かけましたが、そんなことはありませんでした。
    これは耳ではなく音声波形レベルで検証しましたので確実かと思います。
    もし、通話が途切れることがあれば、それは環境(通信状態や端末など)の問題と思われます。

    意外だったのは「遅延時間」です。
    第三者課金サービスはほとんど遅延しないものだと思い込んでいました。
    今まで「G-Call」をずっと使っていて、一度も「遅延を感じたことがなかった」からです。

    遅延時間は「ブラステル」がもっとも小さく360ms、次いで「楽天でんわ」の416ms、「G-Call」の465msと続きます。

    これらの数字は優良なIP電話サービスとほとんど同レベルです。
    (話が逸れますが、IP電話の素晴らしさを再認識した瞬間でした。)

    今回の検証で2つわかりました。
    1. 第三者課金サービスもIP電話並みに遅延しているということ。(ただし回線は安定している)
    2. 遅延時間が 465ms 程度では全く遅延を感じないということ。


    【まとめ】

    ◆ ブラステル

    発信時、相手に接続する前に次のガイダンスが流れます。(約11秒間)
    『○○○分、ご利用できます。ブラステルのご利用ありがとうございます。このまましばらくお待ちください。』

    毎回流れるこのガイダンスが、結構煩わしく感じます。

    「ブラステル」の魅力は6秒毎の課金です。
    10秒程度の電話を何回もかける人には非常に良いシステムです。

    なお、ブラステルはクレジットカードがなくても契約できる、プリペイド方式の課金です。
    これに魅力を感じる人にもお勧めできます。(クレジットカード等による自動チャージも可能です。)

    しかし、それ以外はデメリットの方が目立ち、なにか理由がなければ、「ブラステル」を選ぶ必要はありません。

  • 「ブラステル」公式ページへ


    ◆ 楽天でんわ

    知名度は高いのですが、通話料も高いです。
    (ポイント分を考慮しても、他サービスより高い料金設定です。)
    しかし、固定電話にかける際の確実な番号通知が魅力です。

  • 「楽天でんわ」公式ページへ


    ◆ G-Call

    NTT回線を使った固定電話には番号を通知できませんが、そもそも固定電話に「ナンバー・ディスプレイ」を契約している人は極めて少数です。

    携帯電話・PHSに確実に番号通知ができれば良い人には、「G-Call」がお勧めです。

  • 「G-Call」公式ページへ


    ◎ G-Callの紹介者制度を利用する
    「G-Call」には紹介制度があり、これを利用すると250円分(12分30秒)通話に使えるポイントが加算されます。(双方に加算)
    もし、嫌でなければ紹介者欄に、私のG-Call顧客番号「1150650」を記入して頂けると、非常に嬉しいです。(名前と電話番号は空欄のまま)



    【結局おすすめはどこなのか?】

    どのサービスも月額無料で利用できる上、ケータイの通話料が半額以下となります。
    もう、これは「使わなければ損」と言っても過言ではありません。

    私のおすすめは、前述のとおり「楽天でんわ」と「G-Call」です。
    料金重視なら「G-Call」、番号通知重視なら「楽天でんわ」となります。
    この2社は登録も簡単ですので、まずは試してください。

    なお、「Prefixer」を使えば、携帯・PHSには「G-Call」、固定電話には「楽天でんわ」と言った使い分けも自動化できます。
    それを考えると、「どちらか一方を契約」ではなく「両方契約して使い分ける」が正しい選択かもしれません。
  • 2013年12月23日月曜日

    「BIGLOBE LTE・3G」の月額料金を安くする方法(エントリープランなら770円/月)

    「BIGLOBE」が提供するサービスを、すべて210円下げる方法を紹介します。
    月額で210円下がるため、長期間で考えると結構な金額です。


    裏技契約


    これからずっと「BIGLOBE」のお世話になろうとしている人は、ぜひ実行してください。



    【どういうことなのか?】

    BIGLOBEを契約すると、毎月必ずかかる「ベーシックコース」(210円分)というものがあります。
    これは、同社の提供するMVNOサービスでも(一部例外を除いて)支払う必要があります。
    これは大抵の場合、その該当プランに最初から含まれていて、ほとんど意識することがありません。

    しかし、これを意識してください。「一部例外を除いて」です。
    この「一部例外」を追求します。


    例えば、以下のサービスについて考えます。
  • BIGLOBE LTE・3G「エントリープラン」

    BIGLOBE MVNO エントリープラン

    これは通常契約すると、980円/月の使用料がかかります。
    しかし、この中にこんなメッセージが書かれています。

    「BIGLOBEの接続サービスをご利用の場合(770円/月)」

    普通はこれを既存のBIGLOBEユーザだけだと思います。
    しかしこれは違います。どんな形であろうが、「BIGLOBE」に接続できるユーザであれば良いのです。

    そこに着目し「特定ISP会員向け特約」と言うサービスを利用します。
    (なんだか難しそうに聞こえますが、非常に簡単です。)

    次からその手順を説明していきます。



    【特定ISP会員向け特約の利用】

    やり方は非常に簡単で、「hi-ho」経由で「BIGLOBE」を契約するだけです。
    「hi-ho」も超大手プロバイダなので、安心して契約できます。
    (もちろん、「hi-ho」との契約も無料です。)

    以下、その手順です。


    1.「hi-ho」にアクセスして、「hi-ho CHECK ID について」を押します。

    裏技契約の手順1


    2.「hi-ho CHECK IDの新規登録」を押します。

    裏技契約の手順2


    3.必要事項の入力を進めていき、登録を完了させます。

    裏技契約の手順3


    4.再度、「hi-ho」にアクセスして、「hi-ho with BIGLOBE」を押します。

    裏技契約の手順4


    5.「初めてご利用される方 入会はこちら」を押します。

    裏技契約の手順5


    6.「hi-ho with BIGLOBE サービスに登録する」を押します。

    裏技契約の手順6


    7.「hi-hoコンテンツ会員、hi-ho CHECK会員の方はこちら」を押します。(3で表示されたIDとパスワードを入力)

    裏技契約の手順7


    8.画面の指示に従い、必要事項を入力していくと「BIGLOBE」へ連携します。「次へ」を押します。

    裏技契約の手順8


    9.「BIGLOBE」サイトに自動で移ります。色々と規約が書かれていますので、一読して「同意し、オンラインサインアップを続ける」を押します。

    裏技契約の手順9


    10.必要事項の入力を進めていき、登録を完了させます。

    裏技契約の手順10


    これで、無料で使えるBIGLOBEアカウントが出来上がりました。



    【無料のBIGLOBEアカウントについて】

    この無料で登録したBIGLOBEアカウントは、MVNOやIP電話で利用する場合、有料のものと何ら変わりはありません。
    (余談ですが、ここからメールアドレスも発行でき、無料でプロバイダメールも得ることも出来ます。)

    あとは、申し込む際に「BIGLOBE会員の方」を選び、通常どおり手続きを完了させれば、各サービスの月額が210円引きとなります。

    [ BIGLOBE LTE・3G 料金 ]
  • エントリープラン : 980円 → 770円

  • ライトS プラン : 1580円 → 1370円



    一例として、エントリープランの申込み手順を掲載します。

    1.「BIGLOBE LTE・3G」 の申込みページヘ進み、下方の「お申し込み手続きへ」を押します。

    裏技でエントリープラン1


    2.該当プランとSIMの大きさの「選択する」を押します。(SIMの大きさはドコモの機種仕様ページに書かれています。)

    裏技でエントリープラン契約2―1

    裏技でエントリープラン契約2-2


    3.ここでプランとSIMを選んだら「BIGLOBE会員の方」を選びます。

    裏技でエントリープラン契約3


    4.先ほど登録したIDとパスでログインします。(上記10で表示されたIDとパス)
     (すでに、ログインしていた場合はこの行程はパスされます。)

    裏技でエントリープラン契約4


    5.プランとSIMに間違いがないかを確認後、「配送先住所」にチェックを入れ、「規約に同意して進む」を押します。

    裏技でエントリープラン契約5-1

    裏技でエントリープラン契約5―2


    6.ページ下方の「お申し込みを確定する」を押します。

    裏技でエントリープラン契約6


    7.申込み完了です。770円のMVNO回線の出来上がりです。

    裏技でエントリープラン契約7



    【感想】

    私はしばらくビッグローブのお世話なるつもりなので、通常契約していた「BIGLOBE LTE・3G」を解約して、この方法で新規にビッグローブを契約し直しました。

    たかだか 210円/月 ですが、長期間で見ると大きな差になります。
    また、これだけ安ければ「2本契約してもいいかな」なんてことも目論んでいます。

    超高品質のBIGLOBE回線がこの価格で契約できて、実はかなりウキウキ気分です。

    ただし、地域によっては速度に差があったりするようなので、契約してみて速度が遅い場合は、スパッと諦めて他社のMVNOを使ってみるのも手です。
    このようにMVNOには「縛り」がないことも、サービスの魅力のひとつだと思います。

    ちなみに私の生活圏内(埼玉の田舎 ~ 都内中心ぐらいまで)は非常に高品質で、昼時の速度低下すら一切ありません。
  • 2013年12月18日水曜日

    スマホでIP電話をゼロから考える(Part2)【実証】

    IP電話サービス各社の音質・遅延時間の検証を行いました。
    今回は、SIPクライアント(アプリ)の違いによる音質の変化や、スマホのスペックによる音質への影響など、複合的な要素を取り入れて検証を行っています。




    以下が検証を行ったIP電話サービスです。
  • 050plus
  • G-Call 050
  • ブラステル
  • FUSION IP-Phone SMART
  • BIGLOBEフォン・モバイル



    【検証条件】

    「G-Call050」と「ブラステル」は専用アプリを使わずに検証します。
    この2つ以外はSIPクライアントに専用アプリを使います。(設定は全アプリ共通でデフォルト)
    また、性能の異なる3種類のスマホで、それぞれの音質・遅延を検証します。

    なお、IP電話において「自分が聞く相手の声」はほとんどの場合でクリアな音声に聞こえます。
    重要視すべきことは「相手に届く自分の声」です。
    そのため、今回の検証も今までと同様に「相手に聞こえる自分の声」を録音しました。

    詳細は本記事のPart1をご覧ください。
    スマホでIP電話をゼロから考える(Part1)【検討】

    また、過去に行った検証もいくつかありますので、興味のある人はカテゴリメニューの「スマホ【IP電話・無料通話】」からご覧ください。



    【検証に用いた環境】

    [使用した端末]
  • L-01F (CPU:4コア 2.2GHz)
  • P-06D (CPU:2コア 1.5GHz)
  • SH-07D (CPU:1コア 1.0GHz)

    [回線]
  • Wi-Fi・・・KDDI系 光回線(Ping10~20ms程度)

    [録音環境]
  • 「FUSION IP-Phone SMART」の留守電(128kbps RIFF-WAVE)

    [遅延測定環境]
  • 「IP電話で音声データを発信してから、携帯電話でそれを受信する」までのタイムラグの測定(※)


    携帯電話同士の遅延時間は200ms程度です。したがって、IP電話単体の遅延時間を知りたい場合は、この測定した遅延時間から約100msを引いた値が本来の値となります。
    ただし、ここでは実用的なデータを載せたいため、「IP電話→携帯電話」の遅延時間をそのまま掲載します。



    【検証結果】

    <音声の元データ>



    サービス名 SIP
    クライアント
    音声
    コーデック
    機種 音質 遅延時間
    (ms)
    050plus 専用アプリ G729a L-01F

    564
    P-06D

    462
    SH-07D

    458
    G-Call 050 CSipSimple L-01F

    486
    P-06D

    401
    SH-07D

    439
    Acrobits
    Softphone
    L-01F

    689
    P-06D

    396
    SH-07D

    559
    Media5-fone L-01F

    424
    P-06D

    402
    SH-07D

    422
    ブラステル CSipSimple L-01F

    410
    P-06D

    378
    SH-07D

    446
    Acrobits
    Softphone
    L-01F

    423
    P-06D

    378
    SH-07D

    404
    Media5-fone L-01F

    422
    P-06D

    372
    SH-07D

    422
    FUSION
    IP-Phone SMART
    SMARTalk iLBC L-01F

    648
    P-06D

    504
    SH-07D

    543
    BIGLOBEフォン
    ・モバイル
    専用アプリ Speex L-01F

    419
    P-06D

    472
    SH-07D

    507



    【検討・考察】

    まずは、今までに定説とされていた「IP電話を使うには高性能なスマホが必要」ということを否定します。

    今回、参戦したスマホの中で、一番低スペックな「SH-07D」が最も音質が良いです。
    また、遅延時間に関しても、高性能なほど低遅延というわけではなく、ある意味「スマホとアプリの相性」のように思えます。

    なお、防水スマホだと音が悪いと言われる場合もありますが、今回の結果を見る限り、そんなこともなさそうです。
    (「SH-07D」と「P-06D」は防水仕様)

    また、今回の検証で1つ気になった点があります。それは、過去に測定した結果よりも全体的に遅延時間が大きいのです。
    これは憶測ですが、遅延時間計用端末を「SH-07D」から「F-08D」に変更したためと思われます。(F-08Dの電話性能はかなり悪い)
    本来ならば、あと30~40ms程度は遅延時間が小さい数値になると思いますが、今回はすべて生値(そのままの数字)を掲載しました。


    さて、本格的に検討・考察を行います。


    ◆ IP電話サービスの比較

    まずは、IP電話サービスにおいて一番重要な「遅延時間」についてです。
    表中にも羅列しましたが、これでは見難いため単純化します。

    遅延時間が小さい順に並べます。

    各IP電話サービスにおける遅延時間の平均
    ブラステル
    406 ms
    BIGLOBEフォン・モバイル
    466 ms
    G-Call 050
    469 ms
    050plus
    495 ms
    FUSION IP-Phone SMART
    565 ms

    「ブラステル」が一番低遅延で性能が良いということがわかります。
    次いで、「BIGLOBEフォン・モバイル」、「G-Call 050」、「050plus」と続きます。
    「FUSION IP-Phone SMART」は565msの遅延となっていますが、このぐらいになると会話に支障をきたす時間です。

    固定電話にかけた際は、相手側に由来する遅延時間はほぼゼロなため、「FUSION IP-Phone SMART」でも違和感を感じつつも会話はできると思います。
    しかし、相手が携帯電話だった場合は、スムーズな会話は困難になるでしょう。

    それ以外の「ブラステル」、「BIGLOBEフォン・モバイル」、「G-Call 050」、「050plus」は、この程度の遅延時間であれば、固定電話とは違和感のない会話ができると思います。

    しかし携帯電話宛となると、違和感なく会話ができるのは「ブラステル」ぐらいでしょうか。
    ただし、今回の検証は光回線という好条件ですので、3G回線(LTE)を使用した際はもう少し遅延時間が増えます。
    これはそのときの回線品質に左右されますので、明快な回答は出せませんが、LTE接続時であれば、遅延を感じながらもまずまず良好な会話ができるとは思います。


    ◆ 音質の比較

    これは「IP電話サービス」と、「使用したスマホ」と、「アプリ」との異なる3つの要素からなります。

    まずはわかりやすいところで「使用したスマホ」による音質の差ですが、これはもう音声データを聞いて頂けばわかるとおり、ダントツで「SH-07D」の音質が優れています。
    これは多分「スマホの作り」によるところだと思っています。

    (正式名称)「AQUOS PHONE st SH-07D」はスマホにWolfson製チップを搭載するなど、今のスマホ業界には考えられないほど、シャープが作りこんだ製品です。
    (今はシャープに限らず、各社スマホ開発に力を入れていません。儲からないから・・・。)

    と、これ以上書くと主旨がズレるのでこれで終わりますが、結論として「音質はスマホ端末によるところが大きい」です。
    よく言われている、「ハイスペック機ほどIP電話の音質が良い」これは誤りであることがわかります。
    (Wolfson製チップを搭載したSH-07Dは、ある意味ハイスペック機に属するのかもしれませんが・・・。)

    SH-07D 白ロム価格 (アマゾン)
    (かなり安くなりました。もう一台確保しておきたくなります・・・。)


    次に「IP電話サービス」による音質差です。
    これは、遅延時間以外でほとんど影響はありません。
    大きく影響するのは、そのサービスで利用できる「音声コーデック」と「アプリ」です。

    音声コーデックは「G729a」よりも、「iLBC」や「Speex」の方が、声が聞き取りやすくキレイな音質です。
    なお、スマホにかかる負担(CPU使用率)は「iLBC」が一番大きく、次いで「Speex」・「G729a」の順となります。
    しかし、「iLBC」を用いた「SMARTalk」の場合を見てもわかるとおり、この程度の負荷であれば数世代前のスマホでも十分に処理できています。


    アプリの比較に関しては、同一コーデックを使っていない限り単純な比較はできないのですが、私の主観を混じえて総合的に考察します。

    <共通>
    今回はあえて、エアコンの音などの環境ノイズが発生している部屋で録音しています。(実際の使用環境に近づけたかったため)
    ヘッドフォンで聞くとこの環境ノイズが聞こえるのですが、ケータイで聞いた場合は全く気になりません。
    (ケータイで聞いた音が「本来の音」なので、興味のある人はスマホの受話口で聞いてみてください。)


    050plus
    これは素晴らしいです。
    使用するスマホに関わらず、高音質です。
    「G729a」を使った他のアプリと比べても、音の作り(声の聞き取りやすさ)は最も優れています。

    CSipSimple
    スマホによる相性が出にくく、すべてのスマホでなかなか良い音質となっています。
    なお、このアプリは設定項目が多岐に渡るため、設定値を詰めることにより、さらに自分好みの音質を作ることもできます。

    Acrobits Softphone
    「G729」を使った音質は、他と比べて若干劣っています。
    また、利用する端末によって得手不得手があるようにも思えます。

    Media5-fone
    今回検証したサードパーティ製のアプリでは最も音質が良いです。
    スマホによる相性もなさそうです。

    SMARTalk
    非常にクリアな音声なのですが、音質に若干のザラザラ感があります。
    実際の受話器ではほとんど気になりませんが、ヘッドフォンで聞くと目立ってしまいます。

    BIGLOBEフォン・モバイル
    今回検証した中で最も聞き取りやすく違和感のない音声です。
    ただ、偶発的かもしれませんが、出だしで音飛びしているところがありました。



    【まとめ】

    「ゼロ・ゴー・ゼロ・プラスへお繋ぎします」
    このガイダンスが許せるならば、断然「050plus」がおすすめです。

    登録も簡単で、音質は良好、使うスマホも選ばない。
    下4桁に好きな番号も選べ、ガイダンス以外は文句なしです。

     ◆ 「050plus」の詳細を確認 (公式へ)
    (2ヶ月間の無料期間だけでも試してみる価値はあります。)



    プロバイダが「BIGLOBE」(MVNO含む)の人は「BIGLOBEフォン・モバイル」が良いです。
    これも難しいことは何も考える必要がなく、簡単に使えて音質は最高です。

     ◆ 「BIGLOBEフォン・モバイル」の詳細を確認 (公式へ)
     (最大1ヶ月間の無料期間があります。)



    料金最優先で、固定電話宛だけではなく、携帯宛にも日常的に使いたい人は「ブラステル」がお勧めです。
    ブラステルは発信時に以下のガイダンスが流れます。(約11秒)
    「○○○分、ご利用できます。ブラステルのご利用ありがとうございます。このまましばらくお待ちください。」

    たった11秒間だけなのですが、結構煩わしいです。
    しかし、これは慣れの問題だと思います。この通話料で月額も無料であれば、この煩わしさも許せます。

    なお、ブラステルは留守電と着信通知機能がありません。そのため、これら機能が必要な場合、ブラステルは適しません。

     ◆ 「ブラステル」の詳細を確認 (公式へ)
     (ここは少々わかりづらいページです。
      「ブラステルカードのお申込み」 → 「今すぐご利用可能!オンラインカード」からオンライン上で契約可能です。)



    そして最後になりましたが「G-Call050」を使うべき人です。
  • 発着信時のガイダンスは許せない。
  • ブラステルのプリペイド方式の課金方法が面倒くさい。
  • どうせ固定電話にしかかけない。(携帯宛ては「0063」を使う)

    このような人は、他を試すまでもなく「G-Call 050」をおすすめします。

     ◆ 「G-Call 050」の詳細を確認 (公式へ)
     (トップページからでは目的のページにたどり着けないほど、サイトの作りは酷いのですが、サービスは優秀です。
      3ヶ月間の無料期間のうちに、SIP情報を取得して他アプリでもテストしてみてください。)



    以上で、2記事に渡った「スマホでIP電話をゼロから考える」終了です。
    G-Call050のSILKが完全復活すれば、また結果も変わってくるのかもしれませんが、これが今現在における結論と考えます。



    [2014/1/27追記]
    「G-Call 050」公式アプリがAcrobits製の「Cloud Softphone」に変更されました。
    そのため、他アプリを試さずともそのままで十分高音質になり、さらにプッシュ着信にも対応しました。

  • 2013年12月11日水曜日

    スマホでIP電話をゼロから考える(Part1)【検討】

    スマホで使えるIP電話には「050plus」や「G-Call050」など、多種サービスが提供されています。
    今までは、高音質・低遅延の「G-Call050」が最も魅力的でした。

    しかし、現在「G-Call050」の音声コーデックに「SILK」が使えなくなっています。
    「SILK」がまた使えるようになるのか、もう二度と使えないのか、詳細は分かりません。




    今回はこれを機に、スマホで使えるIP電話サービスを、再度ゼロから検討してみたいと思います。



    [ IP電話サービスの種類 ]

    私のいままでの経験(と勘)に基づき、高性能なサービスをピックアップしてみました。

  • 050plus
  • G-Call 050
  • FUSION IP-Phone SMART
  • BIGLOBEフォン・モバイル
  • ServersMan 050
  • ブラステル
  • Skype Out
  • Viber Out


    なお、以下は高性能でも候補にあがらなかったサービスの一例です。

    【 LaLa Call 】
    これに向けて発信すると「ララコールへお繋ぎします」とガイダンスが流れます。
    せっかく性能が良いのに、さすがにこのガイダンスは無理です。
    これであれば、050plusのガイダンス「ゼロ・ゴー・ゼロ・プラスへお繋ぎします」を選びます。

    【 BlueSIPフォン 050 】
    例え高性能でも、通話料がG-Callより高く、使う価値を見出せません。
    (月額:633円  通話料:固定・携帯・IP宛一律 21円/分)



    [ IP電話サービスに求めること ]

    IP電話サービスに求めることを重要な順に並べます。
    1. 料金
    2. 安定性(切れない)
    3. 低遅延
    4. 高音質

    【料金】
    これは読んで字の如くです。
    安くするためにIP電話を使うのですから、「BlueSIPフォン 050」のようにIP電話で発信すると高額になるようなサービスでは意味がありません。

    【安定性】
    これは通信の安定性、アプリの安定性を指します。
    どんなに安くても、ブチブチ切れていては電話として使えません。

    【低遅延】
    IP電話において音質よりも重要な項目です。
    遅延時間が大きいと、スムーズな会話ができません。これは経験するとわかるのですが、結構なストレスです。

    【音質】
    音質は音声コーデックとSIPアプリに依存します。
    ここで求めることは、「キレイな音」ではありません。「聞き取りやすい音声」です。



    [ 使いやすいIP電話サービスであること ]

    前述4項目を満たせても、使いやすくなければ満足できません。

    まず、「ServersMan 050」はServersMan(DTIのMVNO)SIMを刺していないスマホでは使うことができないため、除外します。
    また、電話として使いたいため、発信者番号通知に不備のある「Skype」と「Viber」も除外します。

    さらに、「ブラステル」も除外します。この判断は非常に迷いました。
    「ブラステル」のIP電話サービスは他社と比べて若干安いのです。そのため、除外したくはなかったのですが、支払方法がプリペイド方式となっており、煩わしいのです。また、サービスを開始するためにもブラステルカード(2000円)をコンビニ等で買ってくる必要があり、このあたりの不便さから除外としました。

    「BIGLOBEフォン・モバイル」は、電話帳から発信できず除外するつもりでしたが、アプリ付属の電話帳がスマホの電話帳と完全に連携していて使いやすかったため、候補に残しました。

    「FUSION IP-Phone SMART」は固定電話宛が高額なため、これを利用するメリットは少ないです。しかし、携帯宛にしか発信しない人もいると思い、候補として残しました。

    [ブラステルについて追記(12/13)]
    ブラステルについて勘違いしていました。
    まずは支払方法が煩わしいプリペイド方式ですが、これはオートリチャージ機能でクレジットカードから自動的に課金できました。
    これで1点目の問題クリアです。
    
    そして、ブラステルカードの購入について。
    これはネット上の情報に惑わされました・・・。契約にブラステルカードなんて必要ありません。
    ブラステルは050番号の発行を含め、すべてネット上で契約できて、即時に使えるようになります。
    
    ブラステルHP → 「ブラステルカードのお申込み」 → 「今すぐご利用可能!オンラインカード」(クレジットカードが必要)
    これで2点目の問題もクリアです。
    
    なお、ブラステルの追加に合わせ、下の表も書き換えました。
    


    以下に、残ったIP電話サービスを列挙します。
    ここに記載されているIP電話サービスは、どれも使い勝手は良好です。


    サービス名 月額料金 通話料 備考
    固定宛 携帯宛 PHS 国際電話
    (例:アメリカ)
    050plus 315円 8.4円/3分 16.8円/分 10.5円/分 9円/分  
    G-Call 050 294円 不明 5円/分  
    BIGLOBEフォン・モバイル 315円 16.7円/分 10.5円 +
    12.6円/分
    8円/分 ※1
    ブラステル(050) 0円 5.5円/30秒 不明 3.99円/分  
    FUSION IP-Phone SMART 8.4円/30秒 8円/30秒 ※2

    ※1 BIGLOBEのSIMを挿していなくても使用可能。
    ※2 課金時間の単位に注意「30秒」


    しかし、使いやすいだけではなく、「性能」も良くなければなりません。
    それについては後ほど検証します。



    [ 高性能SIPクライアント(アプリ) ]

    提供されているIP電話サービスがいくら優良であっても、それを活用するアプリの出来が悪ければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
    そこで、IP電話を最大限に活用できる優秀なアプリを探します。

    アプリに求める条件は次のとおりです。
    1. 低遅延・高音質
    2. 電話帳アプリからの呼出→起動
    3. 低帯域用音声コーデックのサポート
    4. バッテリーの持ち

    私は今までに何十種類ものアプリを試しました。
    それらの中で唯一、1~4すべてを満たしたものはiOS版の「Acrobits Softphone」だけでした。
    Android版では、すべてを満たすアプリは残念ながら存在しませんでした。

    しかし、スマホとしての性能はiPhoneよりAndroidに分があります。
    これは非常にジレンマである反面、面白いところでもあります。
    (障害が多いほうが、燃えます・・・よね?)

    iPhoneを使っている人は「Acrobits Softphone」以外を考える必要がないため、iPhoneは今回の検討から除外します。

    話を元に戻します。
    今まで試した中で優秀(1~4のうち3つ以上クリア)だったアプリを列挙します。(Android版)
  • CSipSimple
  • Acrobits Softphone
  • Media5-fone

    【CSipSimple】
    非常に高性能で、「できないことがない」ぐらいのアプリです。
    今回紹介する中で唯一「SILK」に対応しています。しかし、高性能な「SILK」も、サポートするIP電話サービスがなければ意味がありません。
    今回は「G729a」を選定します。

    【Acrobits Softphone】
    全アプリの中、Acrobits製のみプッシュ着信に対応します。これが「Acrobits Softphone」の最大のウリです。
    これに対応していることで、バッテリーの消費をほとんど気にすることなく待受状態にできます。
    低帯域用音声コーデックは「G729a」に対応しています。

    【Media5-fone】
    安定性・音質ともに優れていますが、バッテリーの消費量が大きいです。
    そのため、待受には向いていません。
    しかし、最近のスマホは電池持ちが非常に良いことから、本アプリも候補としました。
    また、私のようにほぼ発信専用としてIP電話を使う人には向いているかもしれません。
    音声コーデックは「G729a」に対応しています。

    なお、「G-Call050」と「ブラステル」以外のIP電話サービスは、それ用に用意された専用アプリを使います。
    (カッコ内は使われる音声コーデックを示しています。)

  • 050plus (G729a)
  • FUSION IP-Phone SMART [SMARTalk] (iLBC)
  • BIGLOBEフォン・モバイル (Speex)



    [ スマホ端末の性能による音質差 ]

    検証に使用するスマホの性能によっても、結果は変わってくるのではないかと予測できます。

    そのため、次の3種類のスマホで検証を行います。

  • L-01F (CPU:4コア 2.2GHz)
  • P-06D (CPU:2コア 1.5GHz)
  • SH-07D (CPU:1コア 1.0GHz)



    [ 検証に向けて ]

    これまでに培ってきた経験を活かし、最適なIP電話サービスとアプリとの組み合わせを考えたいと思います。

    この記事にそのまま検証結果を追記すると煩雑になるため、Part2として検証結果を報告する予定です。

    (検証結果報告)
    スマホでIP電話をゼロから考える(Part2)【実証】


    [SILKについて追記(12/17)]
    現在「G-Call050」で「SILK」の使用に支障を来しています。
    内容は「Wi-Fi接続時に限り、SILKが使えなくなる」というものです。なお、G729a等の他のコーデックは正常に使えます。
    

    [G-Call050について追記(12/18)]
    G-Call050のアプリが「AGEphone」ベースから「Cloud Softphone」に変更されました。
    なるほど。これが理由で「SILK」の対応がおかしくなっていたようです。
    
    非常に積極的なアップデートで歓迎すべきことなのですが、嬉しい反面、今後「SILK」が積極的にサポートされることは無いと思います。
    なお、「Cloud Softphone」は「Acrobits Softphone」の機能制限版で、まったく同じ性能です。そのため、あらためて検証を行うことはしません。
    
  • 2013年12月2日月曜日

    スマホにストラップホールを追加する

    最近のスマホはグローバルデザインから、そのまま日本モデルになっているものが多くなってきました。
    そのようなスマホにはストラップホールがありません。


    ストラップホールがないと、フィンガーストラップが利用できず、スマホの操作性が極端に低下します。
    そこで、ストラップホールがない機種でもフィンガーストラップを使う方法を考えます。

    (フィンガーストラップを使ったことがない人は、絶対に使ってみてください。スマホの操作性が飛躍的に向上します。)



    [ フィンガーストラップでスマホを支える ]

    フィンガーストラップを利用することで、スマホを指の上に乗っけて操作できるようになります。
    多分、言葉では伝わらないので、写真をご覧ください。


    このようなスタイルでスマホを持つことによって、親指の守備範囲が広がります。
    また、非常に安定するため、電車内などで立ったまま使うときに、一番威力を発揮すると思います。



    写真は「G2」(L-01F)です。本機種は液晶サイズが5.2インチもあります。


    しかし、薬指にフィンガーストラップが引っかかっていることにより、親指1本で画面左上の隅までアクセスできるようになります。

    ※ どこの指にリングをかけた方が良いかは、手の大きさよって異なります。




    [ ストラップホールが無い ]

    フィンガーストラップを付けるだけで、スマホの操作性が飛躍的に向上するとわかっていても、ストラップホールが無く、フィンガーストラップが付けられない機種もあります。

    そのような機種はどうすればいいのかというと、2パターン考えられます。
  • ストラップホールを追加する
  • バンカーリングを使う

    まずは「バンカーリング」を紹介します。


    [ バンカーリング ]

    バンカーリングはiPhoneを想定して作られた製品のようですが、iPhone以外のスマホにも、もちろん使えます。

    私はバンカーリングは使ったことがないのですが、これも一度使うと手放せなくなるそうです。

    製品を見ると「見た目」よりも「操作性」を重視したものだということがわかります。
    ケースに入れて無理やりストラップホールを追加するより、ずっとスマートで良いアイデアだと思います。

    このような製品です。
    詳細はこちらからご確認ください。(アマゾンへのリンク)



    [ ストラップホールを追加 ]

    これは、どのスマホにもある「イヤホンジャック」を利用して、そこをストラップホールにしてしまおうというアイデアです。

    しかし、これには大きな問題があります。
    イヤホンジャックを利用するため、フィンガーストラップが「ストラップホールごと抜ける」のです。

    しかし、私はこの方法で「G2」(L-01F)にストラップホールを追加していますが、今までに一度も抜けたことがありません。

    この「抜ける」「抜けない」の決め手となるのが、このイヤホンキャップの抜けにくさです。(当たり前ですが)
    しかし、この当たり前のことができる製品はほとんどありませんでした。

    調べてみると3製品ぐらいあったのですが、結局購入候補にあがったのは、この1製品だけです。

    イヤホンジャック・キャップパーツ(アマゾン:10個入りで99円です。)

    この製品がなぜ抜けにくいのかというと、材質が硬質ゴムでできているためです。(普通のイヤホンキャップはプラスチック)



    このゴム素材のためか、イヤホンジャックに差込むときも「カチッ!」とはいかず、「ムギュ・・・」って感じでした。



    [ スマホの操作性向上に向けて ]

    スマホを使うなら「フィンガーストラップ」か「バンカーリング」は、ぜひ使ってください。

    もし、フィンガーストラップを選択した場合は「環状」より「ヒモ状」の方が使いやすいです。(両方使ってみての感想)
    おすすめはラスタバナナ製のフィンガーストラップです。

    ラスタバナナ フィンガーストラップ(アマゾンへのリンク)

    私は2年間これを使い続けていますが、非の打ち所無しです。
  • 2013年11月24日日曜日

    ネットで契約 ⇒ 即時MNP 「So-net モバイル LTE +Talk」のすすめ

    SBプリモバイルのサービス改悪により、「都合の良いMNP弾」がなくなってしまいました。

    そこで、プリモバイルに代わる、安価で迅速なMNP弾の入手方法を考えたところ、3大キャリア(ドコモ/au/ソフトバンク)ではなく、So-netが提供しているMVNO「So-net モバイル LTE +Talk」に行き着きました。




    「So-net モバイル LTE +Talk」はWebサイトから契約でき、さらにMNP予約番号もWebから発行できます。
    なお、MNPにかかる費用はMVNOの中で最も安く設定されています。

    今回は、この「So-net モバイル LTE +Talk」を利用したMNP用SIM(MNP弾)について紹介します。



    [ 通常のMNP弾の作成方法 ]

    普通、他社にMNPするためには以下の手順を踏みます。
    1. ショップに端末持込→2年縛り無し契約
    2. 3ヶ月間待つ(ブラックリスト回避)
    3. MNP番号発行

    これには様々な問題が発生します。以下はその例です。
  • 弾にすべきキャリアの端末を持っていない
  • 一度に複数のMNP弾を作れない
  • 3ヶ月という長期間の待ちと、その月額費用の発生
  • ブラックリスト入りの可能性
  • 持込契約の手間

    特に「3ヶ月間の待ち」は耐えられません。
    これでは欲しい端末を入手するタイミングを逃してしまいます。
    またそれどころか、非常に流動的なケータイ業界は「3ヶ月後」の保証なんてありません。

    そこで、ゼロからでもすぐに契約できて、すぐにポートアウト可能な「MNP弾」が必要になります。



    [ So-net モバイル LTE +Talk ]

    「So-net モバイル LTE +Talk」は、MVNOの音声付きプランです。
    MVNOというと、通話ではなくデータ通信を思い浮かべますが、音声プランを提供しているMVNOも存在します。

    これが、3大キャリアではないケータイ事業者です。
    今回はここから3大キャリアである、ドコモ・au・ソフトバンクにMNPします。

    即時解約するため、詳細は必要ないと思いますが、参考に「So-net モバイル LTE +Talk」の主要部だけ載せておきます。
    なお、これは余談ですが「So-net モバイル LTE +Talk 」の回線網にはドコモの設備が使われていますので、実はソフトバンクより広いサービスエリアが提供されています。

    <So-net モバイル LTE +Talk>
  • 月額料金:2310円(無料通話分:500円含む)
  • 通話料金:21円/30秒
  • 通信速度:150kbps



    [ MNP弾の作成にかかる費用 ]

    「So-net モバイル LTE +Talk」から他社にMNPする際の費用は以下のとおりです。

    「So-net モバイル LTE +Talk」のMNP転出費用
    契約事務手数料
    3150円
    月額利用料
    2310円
    MNP予約番号発行手数料
    2100円
    解約金(1年以内の解約)
    5250円
    合計
    12810円


    日本通信を使ったMNP情報を良く見かけますが、これは「So-net モバイル LTE +Talk 」と比べると割高です。
    参考に、日本通信の各プランにおいてのMNP費用を掲載します。(合計金額のみ)

    日本通信(b-mobile)のMNP転出費用
    携帯電話SIM
    17104円
    スマホ電話SIM
    16830円
    スマホ電話SIMフリーData
    16338円


    [ ブラックリスト入りの危険性は? ]

    「So-net モバイル LTE +Talk 」でブラックリスト入りは、今までに聞いたことがありません。
    また、3大キャリアと違い、So-netには顧客をブラックリスト入りさせるメリットが全くないため、「ブラック無し」で確定かと思っています

    なお、仮にSo-netにブラック入りしたとしても、ドコモやauなどに契約を断られるわけではないため、大した問題ではありません。



    [ So-net モバイル LTE +Talk 申込時の注意点 ]

    申し込みは公式サイトから行うのですが、必ず「So-net モバイル LTE +Talk」に申し込んでください。
    (「So-net モバイル LTE +Talk S」ではありません。)

    Sが付くだけで、月額料金が500円高くなり、解約金までも高くなります。


    もう一点気をつけることとしては、お客様情報入力の「住所」です。
    アップロードした本人確認書類に記載の住所と、申込みの際に記入する住所とを「完全に」合わせる必要があります。

    例えば、本人確認書類が「東京都品川区大崎2丁目1番1号」という住所であれば、申込時の“お客さま情報”には「東京都品川区大崎2-1-1」と略してはいけないということです。
    ちゃんと本人確認書類に合わせ「東京都品川区大崎2丁目1番1号」と書きます。



    [ 難点とその回避策 ]

    万能な「So-net モバイル LTE +Talk」にも、ひとつだけ難点があります。
    それはドコモへのMNPポートインです。

    元々ドコモの回線網を利用しているMVNOのためか、ドコモへのMNPを嫌がるショップがあったそうです。(MVNOだとショップの取分が少ないのか?)
    しかし、理屈的には全く問題なくドコモへMNPできるはずです。

    そのため、MNPの際は「MVNOからの転入と告げずに」そのまま契約を行ったほうが良いようです。
    ちょっと騙しているような気もしますが、ドコモは「MVNOからの転入は認めない」なんて一切告知していませんので大丈夫です。

    しかし、流動的なこのケータイ業界に「絶対大丈夫」というものは一切ありません。実行の際は自己責任でお願いします。



    [ 同一名義による所持回線数の上限について ] (追記)

    「So-net モバイル LTE(データ+音声)は、同一名義にて6契約以上のお申し込みはできません。」
    これは公式サイトに書かれている、注意書きになります。

    これについて「契約数には解約分も含むらしい」という有益なコメント頂いたため、ソネットサポートに問い合わせてみました。


    私 「音声SIMは5契約までとあるが、この数字には解約したSIMも含まれるのか?」

    サポセン 「含まれます。」

    私 「では、5回線契約したら今後一切御社とは契約できないのか?」

    サポセン 「そんなことはありません。解約後180日経過すれば、再度契約できます。」

    私 「180日という期間は、複数SIMのうち最後に解約したSIMから起算するのか?」

    サポセン 「いいえ。現在の回線所持数が上限に達していると仮定して話をします。AというSIMを1月1日に解約したとします。続いてBを2月1日に解約した場合、再度契約可能になる日はAの解約日である1月1日から180日後となります。また、次に契約枠が空くのはBを解約した2月1日から180日後、となります。」


    ソネットのサポートセンターは素晴らしい対応でした。
    私の質問に対し、1つ1つちゃんと確認をしながら答えてくれました。

    ということで、「So-net モバイル LTE +Talk」は同一名義で5契約まで可能です。
    しかし、解約(MNP)してから180日間は次の音声契約ができませんのでご注意ください。



    [ 余談 ]

    「So-net モバイル LTE +Talk」と言われて、ソネットがMVNOなんてやってたか?と思うかも知れませんが、旧サービス名の「NURO」を聞くとピンと来るかもしれません。
    旧サービス名は「NURO LTE」です。こちらの方が聞き慣れている人も多いかもしれません。
  • 2013年11月16日土曜日

    MVNO「BIGLOBE LTE・3G」(ライトSプラン)のすすめ

    BIGLOBEフォンを調べていて気が付きました。
    BIGLOBEのMVNO回線が、あまりにもお得になっています。しかも2年縛りまでもが消えています。

    これが今だけのキャンペーンなのか、今後ずっと続くのかはわかりません。
    しかし、これが全MVNOの中で一番コストパフォーマンスに優れていることは確かです。


    (キャンペーンの広告)


    今回の話は、「動画など全く見ないし、アプリのダウンロードはWi-Fi下で行うから、低速回線MVNOで十分。」という人は該当しません。

    「高速通信を行いたい、動画も見たい。だけど料金はできるだけ抑えたい。」こんなワガママな人向けの話です。



    [通信量]

    まず、ひと月の通信量が「2Gバイト以内」、これが目安になります。

    私は結構ハードにスマホを使っていますが、過去3ヶ月のデータ通信量を見たところ、一度も2Gバイトに達していませんでした。
  • 8月:0.6Gバイト
  • 9月:1.5Gバイト
  • 10月:0.6Gバイト

    (9月はテザリングもかなりしていてこの程度です。)

    自分がどの程度の通信量なのか把握できていない人は多いと思います。
    まずは、自分の通信量をキャリアのサイトから確認してみます。

    例えば、ドコモであれば
    「マイドコモ」→「通話・通信先の明細(Web料金明細サービスにお申込みの方)」
    から確認できます。(紙の明細があれば、それにも記載されています。)



    これで通信量の合計が2Gバイトに収まっている人には、間違いなくこのMVNOをお勧めできます。
    なお、2Gを超えても通信ができなくなるわけではなく、翌月までの最高速度が128kbpsに制限されるに留まります。

    ※ 128kbpsの速度目安:WEB閲覧は問題ないが、動画再生は厳しい。



    [MVNO用端末]

    これはBIGLOBEに限った話ではありませんが、MVNO回線を使うためには、それ用に1台ドコモの端末(スマホかルータ)を用意する必要があります。

    余っているスマホがあれば、それを利用するのも良いと思います。
    または、現在お使いのスマホをMVNO用とし、ガラケーを通話用とするのもおすすめです。

    (余っているスマホを使う場合は、セルスタンバイ問題が起きないかの確認をします。もし、わからない場合はご質問ください。)

    余っているスマホやガラケーがない人は、高性能で安価、しかもセルスタンバイ問題も無視できるSH-06Eがおすすめです。

    AQUOS PHONE ZETA「SH-06E」の白ロム価格(アマゾンで確認)



    [BIGLOBE MVNOの性能]

    「BIGLOBE LTE・3G」(ライトSプラン)とドコモのパケホーダイとの比較を行います。

    事業者 BIGLOBE ドコモ
    プラン名 LTE・3G
     ライトSプラン 
    Xiパケ・ホーダイ
    フラット
    Xiパケ・ホーダイ
    ライト
    Xiデータプラン
    フラット にねん
    Xiデータプラン
    ライト にねん
    月額料金 1580円 5985円 4935円 5985円 4935円
    AP使用料 なし 315円 315円 315/525円 315/525円
    通信速度(Mbps) 制限なし
    速度規制中(kbps) 128
    高速データ通信量 2GB/月 7GB/月 3GB/月 7GB/月 3GB/月
    Wi-Fiスポット Wi2 300 docomo Wi-Fi docomo Wi-Fi docomo Wi-Fi docomo Wi-Fi
    最低利用期間 なし なし なし 2年 2年
    備考   音声プランに付属 音声プランに付属 プラスXi割
    適用で3980円
     


    通信量が2Gまでと言うこと以外、弱点がありません。
    Wi-Fiスポットは「Wi2 300」が無料で利用できるため、「docomo Wi-Fi」より優位性があります。
    (Wi2 300を併用すれば2Gに到達しにくいばかりでなく、仮に速度規制中であっても高速通信が可能です。)

    なお、回線品質についてもBIGLOBEであれば申し分ありません。
    これは、先月検証した<IP電話に最適な「MVNO」を検証する>を見てもらうと分かります。



    [まとめ (余談含む)]

    これまで、BIGLOBEの社員なのではないかと言うほど、べた褒めしてきました。
    しかし、BIGLOBEは大きな危険性も秘めています。

    BIGLOBEは業績不振により他社の傘下に入ることが決定しています。(傘下というより身売り。完全に「NECビッグローブ」を売却するようです。)

    私の想像ですが、今回のキャンペーンは「ラストスパート」です。


    先のことは分かりませんが、今のところこれは以上にコストパフォーマンスに優れたMVNOはありません。
    高速回線で且つ安価なMVNOを探していた人は、このキャンペーン中に「BIGLOBE LTE・3G」(ライトSプラン)を確保しておくべきです。

    BIGLOBE LTE・3G    (詳細ページへ)

    私は「ライトSSプラン」で契約していたのですが、これを機に「ライトSプラン」にプラン変更しました。
    今まで何社かMVNOを検証をした中で「BIGLOBE」はダントツでしたので、このキャンペーン価格のうちに根を張っておこうと思います。




    [エントリープランについて追記]

    2013年12月2日から「ライトSプラン」の高速データ通信量は1GBにして、料金を980円に抑えたプランが登場しました。
    しかも、2014年2月からSMSオプション(=セルスタンバイ対策)も追加されることが決定しました。

    BIGLOBE LTE・3G    (エントリープラン詳細も同ページに書かれています。)

    なお、BIGLOBEは複数回線申し込むと、1回線につき210円安くなるため、家族で使いたい人にもお勧めできます。
  • 2013年11月15日金曜日

    スマホでIP電話「BIGLOBEフォン」の検証

    「050plus」や「FUSION IP-Phone SMART」は使用者が多く、その情報も簡単に入手できます。
    しかし、「BIGLOBEフォン」に関する情報は極端に少なく、使ってみたくてもどの程度の音質なのかまったくわからない状況です。




    そこで、「BIGLOBEフォン」を実際に契約して、その性能を検証してみました。



    [BIGLOBEフォンについて]

    ここで紹介するサービスは正式名称「BIGLOBEフォン・モバイル」です。

    「BIGLOBEフォン」と「BIGLOBEフォン・モバイル」とでは異なるサービスなのですが、わかりにくいため「BIGLOBEフォン」で呼び方を統一します。
    (本当の「BIGLOBEフォン」は固定電話向けのサービスです。)


    「BIGLOBEフォン」はBIGLOBEを契約しているユーザのみ使うことのできる「IP電話サービス」になります。
    これは、固定電話として使うものではなく、スマホのアプリとして使います。
    したがって、外出時も使えることになります。

    料金は以下のとおりで、有名な「050plus」と同一料金です。

    基本料金 固定電話宛 携帯電話宛
    BIGLOBEフォン 315円 8.4円/3分 16.8円/1分
    携帯電話(参考) 126円/3分 42円/1分


    アプリは「ナムザック・ジャパン」という会社が作成しています。
    (独自にUrekaBizというIP電話サービスも提供しているみたいです。)



    [BIGLOBEフォン専用アプリ]

    このアプリはインストールする機種によって、最適な通話環境を自動的に設定してくれます。

    また、通信状態によって最適なコーデックも自動的に選択してくれます。
    なお、使用されるコーデックは使用環境により、次の2つから選択されます。
  • Speex
  • AMR

    2つとも優秀なコーデックで、特にAMRはドコモのケータイでも使われている非常に優れたコーデックになります。

    3GとWi-Fiの切り替わりも、もたつきがなく非常に優秀です。
    また、プッシュ対応ではないものの、バッテリーの減り具合も気になるほどではありませんでした。

    ここまでは文句なしのアプリに仕上がっています。



    [音質と遅延の検証]

    ここまで凝った作りの「BIGLOBEフォン」です。その音質にも期待が持てます。

    検証はいつもどおり、「自分がどう聞こえるか」ではなく、「相手がどのように聞こえているか」と「遅延時間」になります。

    以下に、実際に録音した音声データを一覧にします。
    (夜中に録音している関係上、音量は小さめです。)


    <音声の元データ>



    <BIGLOBEフォン音質検証>
    機種 回線種別 音声データ 遅延(ms)
    iPhone4s
    (iOS)
    Wi-Fi(KDDI光)

    337
    ドコモ

    322
    MVNO(BIGLOBE)

    361
    P-06D
    (Android)
    Wi-Fi(KDDI光)

    計測不可
    ドコモ

    MVNO(BIGLOBE)

    L-01F
    (Android)
    Wi-Fi(KDDI光)

    ドコモ

    MVNO(BIGLOBE)



    [考察]

    まず、iPhone版の「BIGLOBEフォン」はなかなかに優秀で、無音状態を的確に判断し完璧なノイズ除去(無音にする)が行われています。
    しかし、環境音を除去するノイズフィルタは搭載されていないのか、無音時と音声検出時の差が目立ちます。
    (この検証はエアコンをかけた室内で行っており、僅かながらエアコンの風の音が常時していました。)

    このため、聞き取りやすい音質ではありますが、クリア感は失われている印象です。


    次にAndroid機の音質です。
    最初、録音に失敗したのかと思い、何度か条件を変えて録音を試みたのですが、ダメでした。酷いノイズです。

    機種固有の問題を疑い、他機種でも試してみましたが、多少マシにはなったものの結果は変わらずでした。


    遅延時間は(iPhone版しか計れませんでしたが)MVNO回線を使っても300ms台に収まっており、非常に優秀です。
    なお、Android版はノイズが酷く、遅延時間の計測はできませんでした。



    [まとめ]

    「BIGLOBEフォン」はコーデックの選定は素晴らしいのですが、アプリの出来がイマイチです。

    符号化方法や遅延速度から推測すると、SIPサーバの性能はかなり良いのではないかと思われます。
    それだけに、専用アプリがネックになってしまうとは、非常に残念な結果です。

    これであれば、専用アプリでも使いやすく音質も良い「050plus」をお勧めします。
    スマホでIP電話「050plus」のすすめ

    または、(050plusに比べると若干難易度は上がりますが)最高音質・超低遅延の「G-Call050」をお勧めします。
    スマホでIP電話「G-Call050」のすすめ



    [希望]

    「BIGLOBEフォン」は、SIP情報の取得ができれば、IP電話最強の座を奪えるポテンシャルを秘めています。
    もし、SIP情報が抜けた、という人がいましたらぜひ教えてください。

    なお、SIP情報はこのファイルに書かれていると思うのですが、私には解読できませんでした・・・。

    [properties.xml]
    Authentication:LastUserID
    Authentication:LastPassword
    Authentication:LastSuccessfulUserID
    Authentication:LastSuccessfulPassword
  • 2013年11月8日金曜日

    iPhoneで簡単に「G-Call050」のSIP情報を取得する方法

    今まで「G-Call050」のSIP情報の取得には、次のいずれかの方法しか無いと思っていました。
  • root化スマホ
  • 脱獄iPhone
  • Eclipse(Android開発環境)

    しかし、iPhoneユーザであれば、簡単にSIP情報が抜けることがわかったため、これを紹介します。




    (ここに至れたのはGoさん、hikaruさん、本田さんの情報提供のおかげです。ありがとうございました!)



    [iPhoneユーザの苦労]

    今までiPhoneユーザは「G-Call050」のSIP情報取得のためには、Androidの開発環境(Eclipse)を使うしかありませんでした。
    しかし、これを使うためには「APK Downloader」が必要であり、「APK Downloader」にはAndroid端末の固有番号が必要であり・・・。

    Android端末の固有番号???
    すでにこの時点で、iPhoneしか持っていない人はお手上げでした。
    (BlueStacksによるID取得でクリア可)

    しかし、通常のiPhoneユーザはどうしても「Eclipse」を使うしかなく、そのため「G-Call050」のSIP情報抜きを躊躇していた人もいたと思います。



    [i-FunBoxでそのまま抜ける]

    いままでiPhoneで難しかったSIP情報の取得が「i-FunBox」を使うことにより、そのまま抜き出せることがわかりました。
    しかも、SIP情報が書かれたファイルはSQL形式でもないため、ファイルを単純にテキストエディタで開くだけです。

    もう、これだけでSIP情報の取得完了です。

    以降にその手順を掲載します。



    [SIP情報の取得手順]

    SIP情報取得までの流れは次のとおりです。
    1. iPhoneに「G-Call050」をインストールする。
    2. PCに「i-FunBox」をインストールする。
    3. iPhoneをUSBでPCに接続する。
    4. 「i-FunBox」を起動する。
    5. SIP情報が書かれたファイルを開く。(完了)


    1.iPhoneに「G-Call050」をインストールする。

    これはそのままです。
    通常どおりiPhoneに「G-Call050」をインストールし、ユーザIDとパスを入力して使える状態にします。


    2.PCに「i-FunBox」をインストールする

    まずは「i-FunBox」を以下よりダウンロードします。
    ダウンロード先

    注意点としては、デフォルトのままインストールすると、余計なものが一緒にインストールされてしまいます。
    そのため、インストール時にはカスタムを選択して、不要なもののチェックを外してから続行します。




    3.iPhoneをUSBでPCに接続する

    「i-FunBox」のインストールが完了したら、iPhoneをPCに接続します。
    なお、接続にはiPhoneを充電するときに使うケーブルを、iPhoneとPCのUSB端子に繋げます。


    4.「i-FunBox」を起動する

    iPhoneをPCに接続すると、自動的に「i-FunBox」が自動的に立ち上がると思いますが、立ち上がらなかった場合は、手動で立ち上げます。


    5.SIP情報が書かれたファイルを開く

    ユーザー・アプリケーション / G-Call050 / Library / Preferences / com.gap.GCall.plist
    このファイルにSIP情報がそのまま書かれていますので、テキストエディタで開きます。





    これでSIP情報の取得完了です。
    root化スマホやEclipseでSIP情報を抜き取る手法に比べ、これは驚くほど簡単です。

    iPhoneを使っている人は、この方法でぜひ「G-Call050」+「Acrobits」を使ってみてください。
    かゆいところに手が届かない専用アプリとは違い、最高の品質と使い勝手になります。

    「G-Call050」を使ったことがない人は、3ヶ月の無料期間だけでも試してみてください。
    今まで様々なIP電話を試しましたが、音質はこれがダントツです。

    スマホでIP電話「G-Call050」のすすめ