2014年3月6日木曜日

「FUSION IP-Phone SMART」や「ブラステル(050)」を固定電話として使う

圏外や着信失敗がない「安定した固定電話」(イエデン)が欲しくなりました。
しかし、ほとんど使わないイエデンのために、月額料金など払いたくありません。

この非常に自分勝手な要求を満たしてくれるサービスが、スマホのIP電話では2つありました。
「FUSION IP-Phone SMART」と「ブラステル」です。

しかし、今回はスマホではなく、イエデンで実現したいのです。




今回は、これら月額費用のかからない「FUSION IP-Phone SMART」と「ブラステル(050)」を、固定電話(イエデン)として使う方法を紹介します。



【経緯】

私事で恐縮ですが、娘が幼稚園に行くことになりました。
私は日中仕事をしているので、幼稚園からの連絡先としては妻のケータイを指定することになります。

しかし、私が妻に電話をかけると・・・

5割:「おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないため、かかりません。」
3割:「プルルル・・・、プルルル・・・、プルルル・・・、(永久ループ)」
2割:「プルルル・・・、(20秒ぐらい経過)・・・、もしもし!?鳴らしすぎ!! まぁいいや、どした?」

着信率2割の妻のケータイは信用できず、また、着信しても腹が立ちます。


腹が立つため、イエデンが欲しくなったのです!・・・違う。
重要連絡先としてイエデンが必要になったのです。

イエデンであれば、電池切れで放置されていることもないし、バッグの奥底でブンブン唸っていることもないはずです。


と言うことで、固定電話にかかる費用はいくらかとNTTのHPを見てみると、月額2000円程度かかるようです。
考える余地もなく却下です。

そこで、IP電話に着目しました。
普通、IP電話と言えば「ひかり電話」などを検討するのかもしれませんが、大して使わない電話に月額料金を支払うこと自体、納得ができません。

そこで月額費用が無料の下記サービスを固定電話で利用する方法を考えます。
  • FUSION IP-Phone SMART
  • ブラステル(050)



    【「FUSION IP-Phone SMART」と「ブラステル(050)」の特徴】

    「FUSION IP-Phone SMART」と「ブラステル(050)」両者の特徴は次のとおりです。

    サービス名 月額料金 通話料 留守電 着信通知
    固定宛 携帯宛 PHS宛
    ブラステル(050) 無料 8.4円/3分 5.5円/30秒 不明 無し 無し
    FUSION IP-Phone SMART 8.4円/30秒 有り
    (メール・WEB)
    有り
    (メール)



    ブラステルは数あるIP電話サービスの中で、もっとも通話料が安く設定されています。それなのに月額無料です。
    固定電話として使えれば、これ以上最適なサービスはありません。

    さらに、固定電話(=有線接続)なので、低帯域用コーデックの対応に左右されることもなく、高音質のG711μが使えます。


    「FUSION IP-Phone SMART」は発信にかかる費用が非常に高いため、今回は検討しませんでした。
    (受け専用であれば、留守電や着信通知があるため、最高のサービスと言えます。)



    【必要な機材】

    PCを常時ONにして、ヘッドセットを繋げておけば、そのまま固定電話として使えます。
    しかし、それではあまりにも使い勝手が悪いため、「普通の電話機」を接続できるように環境を整えます。

    IP電話で「普通の電話機」を使うためには「VoIPアダプタ」を使います。
    これをルータと電話の間に挟むことによって、普通の電話機でブラステルなどのIP電話が使えるようになります。

    (業務用の高価なものを除けば)「VoIPアダプタ」の選択肢はそれほど多くはありません。

    私は「HT702」を選びました。
  • Grandstream Handy Tone-702

    このアダプタを使うと、ナンバーディスプレイ(420円/月)を契約することなく、着信時の番号表示もできるようになります。
    また、これは2回線同時使用可なので、別番号でFAXなどの利用もできるようになります。

    もし、将来的にも1回線しか使わない場合は、1回線用のもっと安価な製品(HT701など)でも良いと思います。
  • Grandstream Handy Tone-701


    電話機には、子機付きの安価な製品を選びました。
  • Panasonic コードレス電話機 RU・RU・RU(ル・ル・ル) VE-GD23DL-W

    安価とは言っても、パナソニック製だけあって、なかなかスタイリッシュです。(これ、かなり気に入りました。)


    【設定方法】

    HT702(HT701)の設定方法はWEBブラウザから行えるため簡単です。
    でもその前に、まずは接続です。

    下図のように接続します。


    「HT702」をLANケーブルでルータに繋げます。
    電話機を電話線で「HT702」に繋げます。

    なお、「HT702」とルータとの間にハブがあっても問題ありません。


    接続ができたら次は設定です。


    接続した電話機から「***」とダイヤルすると、英語のガイダンスが流れますので「02」を押します。

    すると、さらにガイダンスが続きます。(渋い女性の声で怒られているみたいです。)
    「アイピーアドレス!」
    「ワン・ナイン・トゥッー・ドーット!」「ワン・スィーックス・エイト・ドーット!」「○・ドーット!」「○・○・○!」

    と、怒られますので、○の数字を控えます。


    WEBブラウザを開いて、URL欄に先ほどのIPアドレス(192.168.*.***)を入力します。
    画面が変わってパスワード入力画面が出てきます。
    パスワード「admin」を入力して「Login」を押します。



    「BASIC SETTINGS」を押します。



    「Time Zone」を「GMT+9:00 (Japan,Korea, Yakutsk)」にし、一番下の「Apply」を押します。



    「ADVANCED SETTINGS」を押します。



    下方の「NTP Server」に「ntp.jst.mfeed.ad.jp」や「ntp.nict.jp」などを入力し、「Apply」を押します。



    続いて「ブラステル」や「FUSION IP-Phone SMART」のアカウント情報を入力します。
    「FXS PORT1」を押します。



    「Account Active」が「Yes」になっていることを確認します。①

    「Primary SIP Server」に次のアドレスを入力します。②
    ブラステルの場合:softphone.spc.brastel.ne.jp
    Fusionの場合:smart.0038.net

    「NAT Traversal」を「Keep-Alive」にします。③

    「SIP User ID」にユーザIDを入力します。④
    ブラステルの場合:ユーザーID(8桁の数字)
    Fusionの場合:SIPアカウント(8桁の数字)

    「Authenticate Password」にパスワードを入力します。⑤
    ブラステルの場合:パスワード(初期では8桁の文字列)
    Fusionの場合:SIPアカウントパスワード(初期では8桁の文字列)

    「SLIC Setting」を「Japan CO」にします。⑥

    「Caller ID Scheme」を「NTT Japan」にします。⑦

    最後に一番下の「Apply」を押します。





    以上で設定完了です。
    これで「ブラステル」や「FUSION IP-Phone SMART」がイエデンになりました。


    【2014年6月9日 追記】

    相手に聞こえる音量が小さい人は下記設定を試してください。
    (我が家のブラステルは、これで調度良いぐらいになりました。)

    「FXS PORT1」→「Gain: TX」を『+2dB』にする。



    【まとめ・感想】

    以下に利点を列挙します。

  • 初期費用としてHT702の購入費がかかりますが、その後は月額0円で固定電話が利用できます。
  • 本来、420円/月かかるナンバーディスプレイが無料で利用できます。
  • ブラステルを使えば、国内最安値の通話料です。
  • 音質はとんでもなく高品質・低遅延です。(※)


    音質については「ブラステル」だけではなく、「FUSION IP-Phone SMART」を使った場合も同様です。
    理由はわかりませんが、固定電話化すると「FUSION IP-Phone SMART」でさえも遅延が一切なくなります。


    しかし、一点だけはどうにもなりませんでした。

    それは「FUSION IP-Phone SMART」の着信です。
    「FUSION IP-Phone SMART」は使用するルータによっては、どんな設定をしようとも着信ができません。

    どうやら、SIPの中に不要な情報を含んだまま通信をしているようで、ルータからVoIPアダプタが見つけられなくなるようです。

    着信できないルータの場合、設定では回避できないため、諦めるしかありません。
    しかし、使えるルータでは何も意識せずに着信できます。
    (どのルータが着信可能かは情報が少なく、使ってみるまで分かりません。)

    なお、我が家のルータ「BL190HW」は着信不可でした。

    「FUSION IP-Phone SMART」をイエデンにしたい人はこの点だけ留意してください。
    (これは「FUSION IP-Phone SMART」だけの問題で、これ以外のサービスはすべて問題なく着信できます。)


    最近は、050番号が企業でも使われはじめ、違和感のない電話番号になってきています。
    私の場合は、元々固定電話番号を持っていなかったため、イエデンとして最初から050番号を選択できました。

    しかし、現在、電話番号を持っている人であっても、費用と安定性から050番号への乗り換えも、十分検討に値するものに思えます。



    【補足】

    HT702は海外製品のため、初期設定では受話器を上げた時の音などが日本仕様になっていません。
    もしも気になるようでしたら、下記設定を変更してください。

    (「OSAKANA TAROのメモ帳」さんから引用させて頂いています。)

    日本で使う時に感じる、いろんな音の違和感を無くすために
    「ADVANCED SETTINGS」内の「Call Progress Tones」で以下を変更

    <受話器上げたあとの音の違和感無くす>
  • Dial Tone:f1=350@-13,f2=440@-13,c=0/0;→「f1=400@-19,c=0/0;」

    <電話がかかってきた時>
  • Ringback Tone: f1=440@-19,f2=480@-19,c=2000/4000;→ 「f1=400@-19,f2=385@-20,c=1000/2000;」

    <話し中の時>
  • Busy Tone:f1=480@-24,f2=620@-24,c=500/500;→ 「f1=400@-19,c=500/500;」

  • Reorder Tone:f1=480@-24,f2=620@-24,c=250/250;→ 「f1=480@-19,f2=620@-19,c=1500/1500;」
  • Confirmation Tone:f1=350@-11,f2=440@-11,c=100/100-100/100-100/100;→ 「f1=600@-16,c=250/250;」


    【2014年7月5日 追記】

    着信後、即切断されてしまう現象への対処方法。(ブラステル)
    ※ 詳細の確認はできていません。


  • HT702のファームウェアバージョンを「1.0.4.8」にする。

    これ以外のファームウェアのバージョンでは、前述の条件下で問題が発生しました。
    しかし、旧バージョン「1.0.4.8」を持っておらず、追試験はできていません。
    (もし、このバージョンのファームウェアを保存している方がいたら、ご連絡いただけると嬉しいです。)
    h m氏がサポートに掛けあって、入手してくれました!ありがとうございますm(__)m


    【2014年8月25日 追記】

    ブラステルの不具合対処方法のまとめ。(着信後即切断、音声不通など)
    1. ATA(HT702など)を単独でレジストさせる。
      (スマホなどの登録をすべて解除した後に、ATAのみでブラステルに再登録する。その後にスマホを登録する。)
    2. 複数レジストしている場合はコーデックを合わせる。
      (HT70xはGSMを持っておらず、同時着信で不具合を起こす可能性があるためPCMUに統一する。なお、AGEphoneを利用したスマホサーバは例外。)
    3. HT70xであればファームウェアバージョンを「1.0.4.8」にする。

       DL:HT701 (Ver.1.0.4.8)
       DL:HT702 (Ver.1.0.4.8)
       DL:HT704 (Ver.1.0.4.8)


    【2015年2月15日 追記】

    上記リンクを修正しました。(メーカサイトリンク切れのため。)