2013年12月29日日曜日

「楽天でんわ」/「G-Call」/「ブラステル」の比較・検証

第三者課金サービスに「楽天でんわ」が参入しました。
そのため、今まであまり注目されていなかった本サービスが、一気に表舞台へ躍り出ました。



そこで、今回はこの3社のサービスを比較・検証します。
また、本サービスが簡単に利用できるような「Prefixer」の設定方法も、あわせて紹介したいと思います。
(Prefixerの設定は別記事で紹介します。)



【第三者課金サービスとは?】

大抵の人は、電話がどのように相手につながって、どうして会話が出来るのかなんて考えません。
こんなこと知る必要もないのですが、これを知ることによってこのサービスの本質が理解できます。


例えばドコモの携帯から通常どおり発信したとします。
この場合、ドコモの電話回線網から発信先の相手番号を見つけ、その相手に接続します。[ドコモの回線網を使用]

自分のケータイ → ドコモ回線網 → 相手先電話


これが「楽天でんわ」などの第三者課金サービスを利用して発信した場合は、次のようになります。

自分のケータイ → ドコモ回線網 →(そのまま通過)→ 楽天でんわ回線網 → 相手先電話

自分の携帯から、まず最初に「楽天でんわ」に接続します。その後「楽天でんわ」が所有する電話回線網から、発信先の相手番号を見つけ、その相手に接続します。[楽天でんわが所有する回線網を使用]


このように、通常ドコモの回線網を使用するはずだったものを、そのままスルーさせて第三者の回線網に引き入れ、そこから発信します。
これが第三者課金サービスの基です。

こうすることによって、携帯キャリア回線を極力使わずに、他所へ発信できるようになります。

つまり、基本使用料だけ携帯キャリアに支払い、通話料は第三者へ支払えば良いと言うことになります。



【第三者課金サービスの利点】

第三者課金サービスの利点は次の2点です。
  • 安い(キャリア通話料の半額以下)
  • 安定した通話品質

    この2つの利点が合わさってこそ意味を成します。

    安いだけで良ければIP電話サービスの方が、より安くなります。
    しかし、(3G通信時の場合)IP電話サービスは回線が安定しません。これは通信の仕様上、避けられません。

    一方、「楽天でんわ」や「G-Call」は通信回線ではなく、電話回線を使っているため、常に安定した回線品質を維持できます。
    (※ 厳密に言えば3Gの電話回線も通信回線です。QoSが適切に働くか否かの違いになります。)

    IP電話のように「音質」や「途切れ」を一切気にすること無く、「普通の電話とまったく同じように使える」これが第三者課金サービスの最大の利点です。



    【第三者課金サービスの比較】

    各社ほとんど同じような料金体系になっています。
    この中で、発信者番号通知に注意点があります。


    サービス名 月額 通話料 プレフィックス
    (先頭付加番号)
    使用回線網
    楽天でんわ 無料 10.5円/30秒 003768 フュージョン・コミュニケーションズ
    G-Call 10円/30秒 0063 ソフトバンクテレコム
    ブラステル 2円/6秒
    (10円/30秒)
    00912020 ZIP Telecom
    携帯電話(ドコモ) 21円/30秒 各キャリア所有回線網



    【発信者番号通知】

    番号通知に関しては、3社とも相手に自分の携帯番号が通知されます。
    しかし、通知のされ方に違いがあります。

    例として、自局番号[090-1234-5678]から相手に発信した場合、通知は以下のようになります。

    サービス名 携帯電話/PHS 固定電話 備考
    NTT以外 NTT
    楽天でんわ
    (090-1234-5678)

    (090-1234-5678)

    (090-1234-5678)
     
    G-Call
    (090-1234-5678)

    (090-1234-5678)
    ×
    (通知不可能)
    ※1
    ブラステル
    (090-1234-5678)
    (81-90-1234-5678)

    (090-1234-5678)
    (81-90-1234-5678)

    (090-1234-5678)
    (81-90-1234-5678)
    ※2

    ※1
    NTT固定電話(ナンバー・ディスプレイ契約)のみ、発信者番号が通知されず、通知不可能(非通知ではない)になります。

    ※2
    [090-1234-5678]が通知される場合と[81-90-1234-5678]が通知される場合とがあります。ランダムです。
    [81-90-1234-5678]の[81]は日本の国番号です。発信先のケータイに自分の番号が登録されていれば、自動的に国番号を判別し相手のケータイには「自分の名前」が表示されます。
    しかし、相手のケータイに自分の番号が登録されていなかったら、そのまま[81-90-1234-5678]と表示され、相手にとってはかなり不審な番号となってしまいます。
    なお、IP電話には「非通知」となりました。



    【専用アプリについて】

    今回、専用アプリは比較対象にしません。
    「楽天でんわ」、「G-Call」、「ブラステル」すべてにおいて、利用には別アプリ「Prefixer」と組み合わせます。

    否定的な意見になってしまいますが、専用アプリは使わない方が良いです。
    専用アプリは電話帳機能を有していて、そこから発信する仕組みになっているのですが、これでは使い慣れた電話帳が利用できなくなってしまいます。
    また、お世辞にも専用アプリ(特に楽天でんわ)は出来が良いとは言えません。

    そこで、プレフィックス付加専用アプリ「Prefixer」を利用します。
    これを使えば、何も意識せず普通に発信すれば「楽天でんわ」、「G-Call」、「ブラステル」が利用できます。

    「Prefixer」の設定方法は後日、別記事で紹介します。

    (1月10日 追記:記事掲載しました。)
    「Prefixer」の紹介 (「楽天でんわ」や「G-Call」を快適に利用する方法)



    【第三者課金サービスの検証】

    果たして、これを検証する必要があるのか疑問だったのですが、「楽天でんわ」の音質がイマイチという情報があったため確認してみました。

    検証はIP電話の音質を検証する時と同様の方法です。
    [音質の検証]・・・スマホから発信して「Fusion IP-Phone SMART」の留守電で録音
    [遅延の検証]・・・スマホから発信→スマホで受信までのタイムラグの測定


    <音声の元データ>


    サービス名 音質 遅延時間
    (ms)
    楽天でんわ

    416
    G-Call

    465
    ブラステル

    360
    携帯電話(ドコモ)

    239



    【検討・考察】

    音質に関しては、ブラステルが他と比べて少しだけ「こもった感じ」がします。(ほぼ気のせいレベルです)
    それ以外はケータイを含め、音質に差はありません。

    なお、他所で楽天でんわに関して「通話が一瞬途切れる」と言うレビューを見かけましたが、そんなことはありませんでした。
    これは耳ではなく音声波形レベルで検証しましたので確実かと思います。
    もし、通話が途切れることがあれば、それは環境(通信状態や端末など)の問題と思われます。

    意外だったのは「遅延時間」です。
    第三者課金サービスはほとんど遅延しないものだと思い込んでいました。
    今まで「G-Call」をずっと使っていて、一度も「遅延を感じたことがなかった」からです。

    遅延時間は「ブラステル」がもっとも小さく360ms、次いで「楽天でんわ」の416ms、「G-Call」の465msと続きます。

    これらの数字は優良なIP電話サービスとほとんど同レベルです。
    (話が逸れますが、IP電話の素晴らしさを再認識した瞬間でした。)

    今回の検証で2つわかりました。
    1. 第三者課金サービスもIP電話並みに遅延しているということ。(ただし回線は安定している)
    2. 遅延時間が 465ms 程度では全く遅延を感じないということ。


    【まとめ】

    ◆ ブラステル

    発信時、相手に接続する前に次のガイダンスが流れます。(約11秒間)
    『○○○分、ご利用できます。ブラステルのご利用ありがとうございます。このまましばらくお待ちください。』

    毎回流れるこのガイダンスが、結構煩わしく感じます。

    「ブラステル」の魅力は6秒毎の課金です。
    10秒程度の電話を何回もかける人には非常に良いシステムです。

    なお、ブラステルはクレジットカードがなくても契約できる、プリペイド方式の課金です。
    これに魅力を感じる人にもお勧めできます。(クレジットカード等による自動チャージも可能です。)

    しかし、それ以外はデメリットの方が目立ち、なにか理由がなければ、「ブラステル」を選ぶ必要はありません。

  • 「ブラステル」公式ページへ


    ◆ 楽天でんわ

    知名度は高いのですが、通話料も高いです。
    (ポイント分を考慮しても、他サービスより高い料金設定です。)
    しかし、固定電話にかける際の確実な番号通知が魅力です。

  • 「楽天でんわ」公式ページへ


    ◆ G-Call

    NTT回線を使った固定電話には番号を通知できませんが、そもそも固定電話に「ナンバー・ディスプレイ」を契約している人は極めて少数です。

    携帯電話・PHSに確実に番号通知ができれば良い人には、「G-Call」がお勧めです。

  • 「G-Call」公式ページへ


    ◎ G-Callの紹介者制度を利用する
    「G-Call」には紹介制度があり、これを利用すると250円分(12分30秒)通話に使えるポイントが加算されます。(双方に加算)
    もし、嫌でなければ紹介者欄に、私のG-Call顧客番号「1150650」を記入して頂けると、非常に嬉しいです。(名前と電話番号は空欄のまま)



    【結局おすすめはどこなのか?】

    どのサービスも月額無料で利用できる上、ケータイの通話料が半額以下となります。
    もう、これは「使わなければ損」と言っても過言ではありません。

    私のおすすめは、前述のとおり「楽天でんわ」と「G-Call」です。
    料金重視なら「G-Call」、番号通知重視なら「楽天でんわ」となります。
    この2社は登録も簡単ですので、まずは試してください。

    なお、「Prefixer」を使えば、携帯・PHSには「G-Call」、固定電話には「楽天でんわ」と言った使い分けも自動化できます。
    それを考えると、「どちらか一方を契約」ではなく「両方契約して使い分ける」が正しい選択かもしれません。